平田良介が務めた1番打者OPSはリーグトップ
中日は2019年シーズンで7年連続のBクラスとなった。ただ、昨季のチーム打率.263はリーグトップ、2018年もリーグ2位の.265と貧打解消の兆しは見えてきている。その中で今季はどのような部分が打線のポイントとなるのか、昨季の打順別打撃データから探っていきたい。
昨季の中日打線で良い働きを見せたのは1番打者だ。
主に平田良介が務めた1番のOPSはリーグトップ。キャリアハイの成績を残した2018年から一転、シーズン打率.278に終わり故障離脱も多かった平田だが、1番出場時は3割以上の打率を残すなど好成績を残している。前年終盤からはじまったトップバッター起用が与田剛新監督の体制でもマッチした格好だ。
・平田良介:1番出場時(310打席)
打率.309/出塁率.372/長打率.484/7本塁打/OPS.856
また、中日のクリーンナップの打順別OPSもリーグ順位は4位(3番)、3位(4番)、3位(5番)。6番も2位を記録している。チーム得点こそリーグ5位の563得点だったものの、ビシエド、高橋周平ら中軸の打力は他球団と比べて決して劣っているわけではない。
2番打者、捕手の8番打者に課題
課題となった部分としては、まずは2番の打力が挙げられる。1番打者が優秀だった裏で2番打者OPSはリーグワースト。打線が分断されてしまい、リーグトップの安打数を効率良く得点に結びつけられなかった。
この2シーズン主に2番を任されているのは京田陽太だが、打撃成績は新人王に輝いた2017年の打率.264が最高。上位で出塁すれば足が大きな武器となるだけに、4年目の今季は打撃面での進化を期待したい。また、昨季は前述の平田を含めて主力打者に故障者が続出し、上位に強打者を並べられなかった面もある。いかに故障者なく戦っていけるかがポイントとなりそうだ。
もうひとつ課題に挙げたいのは8番打者、つまり捕手の打力である。8番打者のOPS.546はリーグワースト。5位DeNAの.548と僅差ではあるが、DeNAが後半戦から8番に投手を置くラインナップを組んでいたことを考えると、そのチームとほぼ変わらない数字というのは厳しい状況だ。
昨季の中日捕手は加藤匠馬が開幕スタメンに抜擢されチーム最多の92試合に出場したものの、まだ正捕手の立場を確立したとは言えない。そこで「打てる捕手」と評判のドラフト4位、郡司裕也は1年目から注目となる。
加藤のほかに高卒2年目の石橋康太、中堅の木下拓哉、桂依央利、ベテランの大野奨太らで正捕手争いは熾烈を極めるが、注目ルーキーの加入が刺激となり、彼らのレベルアップにつながる効果も期待したい。
トップバッター、クリーンナップと「軸」はしっかりしているだけに、あと少しの変化で打線が大化けする可能性は十分にある。脇を固める打者の働きが「恐竜打線」復活のカギとなりそうだ。
2020年プロ野球・中日ドラゴンズ記事まとめ