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岡本和真は4番打者として真価を発揮できるか【打順別データから見る巨人】

2020 2/20 06:00青木スラッガー
読売ジャイアンツの岡本和真ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

圧巻の2番・3番「サカマル」コンビ

2019年は5年ぶりにセ・リーグ王者に立ち、今季は連覇を狙う立場にある巨人。リーグ優勝の原動力となったのは、リーグトップ663得点をたたき出した打線だ。その打撃データを打順別成績の観点から振り返り、今季のポイントとなる部分を探っていきたい。

巨人の打順別打撃成績ⒸSPAIA

昨季の巨人打線で核となったのは坂本勇人だった。これまで1番や3番の打順を打つことが多かったが、昨季は主に2番に座り自身初の40本塁打を達成した。巨人の2番打者OPSは.901、本塁打は36本。2番打者のOPS.900以上と30本塁打以上は、ともに両リーグで巨人のみと近年トレンドとなっている「攻撃型2番」の中でも突き抜けた存在であった。

2019年 両リーグ2番打者OPSⒸSPAIA

坂本に続く3番打者のOPSはリーグ2位の.878だが、ここに座ったのが広島からFA移籍してきた丸佳浩。シーズン打率こそ3年ぶりに3割を切ったものの、3番出場時は打率.308をマーク。プレッシャーをはねのけて、期待された中心打者としての役割を見事に果たした。

両選手ともそれぞれ2番出場時(坂本)、3番出場時(丸)でのOPSは.900を超える。球界屈指の2番3番コンビだったといえるだろう。

・坂本勇人:2番出場時(528打席)
打率.310/出塁率.394/長打率.581/本塁打34/OPS.975

・丸佳浩:3番出場時(550打席)
打率.308/出塁率.402/長打率.524/本塁打25/OPS.925

真価が問われる4番・岡本

下位打線に目を向けても6番と7番のOPSがリーグトップ。決して坂本・丸の2番3番だけでなく、打線全体の厚みがチームの強みになった。

しかしその一方で、苦しんだ時期も長かったのがチームの「顔」といえる4番打者だ。ほとんどの試合で4番に座った岡本和真は2年連続の30本塁打以上を達成したものの、前半戦は不振に陥り、前年3割を超えたシーズン打率は.265にとどまった。

2019年 セ・リーグ4番出場時の打撃成績ⒸSPAIA

巨人の4番打者OPS.823はリーグ5位。他チームと比べてそこまで大きな差があるわけではないが、山口俊が抜けて投手力にやや不安を抱え、さらなる得点力向上が必要になってくる中では数字の上積みを期待したい部分。

前を打つ「サカマル」が強力なうえ、昨季は固定できなかった5番打者候補にも大リーグで実績十分のパーラを迎え入れたこともあり、岡本の働きが得点力を大きく左右するはず。岡本にとって4番打者としての真価を問われるシーズンになるだろう。

岡本は他球団を見渡しても最も若い4番打者だ。入団4年目の2018年にいきなり3割30本塁打100打点を達成。完成された状態で一軍に登場してきた印象だが、まだどれほどの伸びしろがあるかわからない。若き主砲が進化していく姿を見ることができるだろうか。

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