「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

長谷川宙輝、濱田達郎、古谷優人といった若手左腕が開幕一軍へ向け全力投球!

2020 2/15 11:00勝田聡
東京ヤクルトスワローズの長谷川宙輝ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

夢だったヤクルトで躍動する長谷川宙輝

春季キャンプが始まって2週間が経過した。この時期になると、シート打撃や紅白戦、そして練習試合と実戦的な練習が多くなってくる。これまでの実績がない若手選手たちは、一軍への生き残りをかけ首脳陣へ必死にアピールを行なっている。

そんな中、2月12日にはヤクルトの長谷川宙輝が、韓国プロ野球(KBO)のサムスンとの練習試合で最速149キロのストレートを投げ込み、2回4奪三振と好投。開幕一軍入りへ大きく前進した。

長谷川はこのオフシーズンにソフトバンクから移籍してきた新戦力。小学校時代にはヤクルトのファンクラブに入会しており、ヤクルトでプレーするのが夢だったという。幼い頃からのヤクルト愛にあふれる長谷川がモノになれば、チームにとっては大きな上積みとなる。

この長谷川のように躍動している選手は他の球団にももちろんいる。なかでも、昨シーズンは一軍で戦力となっていなかった若手左腕が目立っている。

支配下登録に復帰した濱田達郎

長谷川と同じように、このオフシーズンに支配下契約を勝ち取った左腕がいる。中日の濱田達郎だ。濱田は1994年生まれであり、大谷翔平(エンゼルス)や藤浪晋太郎(阪神)と同世代。愛工大名電高校時代は、「高校BIG3」として大きく取り上げられていた存在である。2012年のドラフト会議では、地元の中日から2位指名を受け入団。将来のエース候補として大きな期待をかけられていた。

2年目に一軍デビューを果たすと5勝(3敗)をマークし、順調に成長しているかに見えた。しかし、その後は肘の故障や血行障害との戦いが続き、勝ち星を挙げることができず、2018年からは育成契約となっていた。昨シーズンは二軍で防御率8.77と苦しんだものの、15試合に登板し故障からの回復を見せた。その成果が認められたのか、このオフシーズンに3年ぶりの支配下登録に返り咲いたのである。

そんな濱田は、この春季キャンプで二軍スタートとなったが、2月12日に行われたDeNA二軍との練習試合では1回無失点と結果を残した。なかでもDeNAドラフト1位の森敬斗に対しては見逃し三振。プロの貫禄を見せつけている。フォームがサイドスロー気味に変わったこともあり、以前とは少し印象が変わった。先発としてではなく、中継ぎとして生きる道を見つけることになりそうだ。

現時点における中日の中継ぎ左腕を見ると、岡田俊哉福敬登、そして新外国人のルイス・ゴンサレスと3人だけ。濱田が好投を続ければチャンスは巡ってくるはずだ。

高卒4年目の150キロ左腕・古谷優人

ソフトバンクの古谷優人も注目の左腕だ。古谷は2016年ドラフト2位で北海道の江陵高校からソフトバンクへ入団。ドラフト2位という期待の若手だったが、これまでに一軍登板はなく、4年目となる今シーズンは崖っぷちの状態でもあった。

そんな中、この春季キャンプで一軍に相当するA組スタートを勝ち取ると、2月13日に行われた紅白戦では先発で起用された。その試合では、最速153キロのストレートを投じ2回を無失点投球とアピールに成功している。

2月6日にはブルペンで工藤公康監督が直接指導し、フォームや歩幅を確認。投球練習終了後にはそのまま話し込む姿も見られた。その成果を今春初の紅白戦登板で見せることができたのは大きな収穫だろう。

先発、中継ぎの役割は決まっていないものの、この投球を続けることができれば開幕一軍入りも決して夢物語ではないはずだ。

長谷川や濱田、そして古谷と昨シーズンは一軍で戦力となっていなかった選手たちの成長は、チームにとってこの上なく大きい。プロ野球の世界において希少価値の高い左腕の投手たちは、この春季キャンプで一軍切符を掴むことができるだろうか。

2020年プロ野球・中日ドラゴンズ記事まとめ
2020年プロ野球・東京ヤクルトスワローズ記事まとめ
2020年プロ野球・福岡ソフトバンクホークス記事まとめ