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どうなる?今季ロッテの2番打者 ハマれば面白いのは……

2020 2/18 06:00浜田哲男
千葉ロッテマリーンズの福田秀平ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2番に強打者を置くチームが増加

近年注目されている2番打者。一昔前は進塁打や犠打を得意とする小技が得意なタイプが2番に起用されるケースが多かった。だが、ここ最近ではメジャーでの浸透も影響し、巨人の坂本勇人やDeNAの筒香嘉智、かつて楽天に在籍していたカルロス・ペゲーロなど強打を売りにした打者が担うことが増えている。

確かに簡単に犠打でアウトカウントを増やしてしまうよりも、2番が打てばチャンスは一気に拡大する。また2番は打席が多いため、相手投手は強打者と何度も対戦することになり、プレッシャーをかけられる。

戦力や戦略は各チームで異なり、どんな打者が2番に相応しいのか定義することは難しいが、今回は今季のロッテ打線で2番を担うに相応しいプレーヤーを考察してみる。

昨季最も2番を打った鈴木大地が移籍

まずは昨季、2番を1度でも打った打者を挙げてみる。最も2番を打ったのは鈴木大地(89試合)だ。4月25日にシーズンで初めて2番に座り、5月6日以降はほとんどの試合で2番に入った。鈴木は犠打の成功率も高いが、基本は打っていくタイプの2番打者として機能。特に交流戦時には、1番の荻野貴司とともにハイアベレージを残すなど、相手チームに脅威を与えた。

次に多かったのが、昨季途中に加入したマーティン(23試合)だ。加入直後の7月27日から8月21日まで、約1ヶ月にわたって2番を任された。鈴木同様、打っていくタイプの2番として、出塁した荻野を長打でホームに返すなどセンセーショナルな活躍を披露。途中加入ながら14本塁打を放った1発も魅力で、チームの得点力アップに貢献した。

昨季2番で先発出場した打者ⒸSPAIA


その次が開幕スタメンで2番を任された加藤翔平(14試合)。開幕8試合で4本塁打を放つなど最高のスタートを見せたがその後は失速。結局打率は.202、出塁率は.263と低迷した。以降は、角中勝也(8試合)、藤岡裕大(4試合)、清田育宏(2試合)と続いていくが、角中以下の選手が2番に入ったのは全て4月。つまり、5月の頭に鈴木が2番に固定されるまでは、2番をやりくりし続けていた。これはやはり、開幕スタメンで期待された加藤の失速が大きかった。

そしてこのオフに昨季最も2番を打った鈴木が楽天へ移籍したため、再び2番が空席となった。この穴埋め候補として真っ先に名前が挙がるのが藤岡だ。2018年、主に2番を任されたこともあり、経験は十分。だが、昨季は肉離れで戦線離脱を繰り返した。シーズン終盤は高打率を残すもシーズン通しては.264、出塁率は.306と、2番打者として考えた時に物足りない数字が並ぶ。

1番の荻野が昨季初めて規定打席に到達し、キャリアハイの成績を残したことで今季も1番が濃厚とされる中、2番打者がいかに機能するかが今季のロッテ打線の大きな課題といえる。

ハマれば面白いのは福田秀平

井口資仁監督は、既にソフトバンクから移籍してきた福田秀平に2番を打たせる構想を明かしている。1番が倒れればチャンスメークし、出塁していれば打ってチャンスを拡大することが期待される2番打者。

福田は昨季、80試合の出場で9本塁打9盗塁をマークしており、得点圏打率にいたっては.371と主に代打での出場ながら勝負強さを見せている。出塁率.302は少々物足りないものの、2010年以来の高い出塁率を残した。

これまで、規定打席に到達したことがなく左投手に弱いという課題はあるが、併殺を避けられる走力とここ数年で増してきた長打力を併せもっており、ハマれば面白い。もっとも昨季の加藤のように、出だしがよくても続かなければ意味がないわけだが、スタメンで試合に出続けた場合の福田がどれくらいの数字を残すのかは興味深いところだ。

西武は2番に源田壮亮が固定されてから打線が機能し、源田入団以降はリーグ2位、1位、1位と近年は確固たる強さを見せている。広島は昨季こそリーグ4位だったものの、やはり2番に菊池涼介が固定されていることが強みだ。

荻野と福田のコンビが開幕からある程度機能し、それが持続するのであれば、チームに勢いがつくことは間違いない。1番打者とのコンビネーションという観点からも、2番打者はできれば固定したいところ。実際、開幕スタメンで誰が2番に入るかは分からないが、井口監督の公言通りであれば、ロッテが序盤から勢いに乗っていけるかどうかは、福田の出来が大きく関わりそうだ。

しかし、前述したように福田は左投手に弱い。対左投手の時の出塁率は.154(対右投手は.338)。一方で清田は対左の出塁率が.345、対右が.317。角中は対左の出塁率が.317、対右が.365と投手の左右で福田ほどの偏りはない。

清田は昨季代打で勝負強さを発揮し、シーズン通しては10本塁打、57打点とここ数年では最も好成績を残した。実力者の角中にもチャンスあるだろうし、2年目でどれくらいアジャストできるか期待のかかるマーティンもいる。いずれにせよ、昨季の鈴木がそうであったように、早い段階でチーム得点増に影響を及ぼす2番を固定できるかどうかが大きな鍵を握りそうだ。

2020年プロ野球・千葉ロッテマリーンズ記事まとめ