鈴木大地に期待される役割とは
オフの移籍市場では活発に動き、戦力を大幅にアップデートした楽天。野手では昨季ロッテでキャリアハイの成績を残した鈴木大地の獲得に成功した。2018年オフの浅村栄斗に続き、2年続けてFA市場の大物野手を手に入れたことになる。
2019年シーズンの楽天打線は前年リーグワーストだったチーム得点を3位の614得点まで立て直し、一定の成果を収めることができた。その中でさらなる戦力補強として迎え入れられた鈴木には、どのような役割が期待されているのだろうか。
オフの移籍市場では活発に動き、戦力を大幅にアップデートした楽天。野手では昨季ロッテでキャリアハイの成績を残した鈴木大地の獲得に成功した。2018年オフの浅村栄斗に続き、2年続けてFA市場の大物野手を手に入れたことになる。
2019年シーズンの楽天打線は前年リーグワーストだったチーム得点を3位の614得点まで立て直し、一定の成果を収めることができた。その中でさらなる戦力補強として迎え入れられた鈴木には、どのような役割が期待されているのだろうか。
昨季の打順別打撃成績を見ると、気になるのは2番と4番。主砲・浅村の前後を打つ打者である。
4番の本塁打21本はリーグワースト。OPS.787も4番打者の数字としては決して高くはない。昨季の浅村の敬遠数はリーグ2位の9個と、勝負を避けられる場面が目立った。ただ、8月からはブラッシュが4番に定着。ブラッシュは4番出場時に打率.259/13本塁打/OPS.895の好成績を残しており、今季もこの好調を維持できれば3番4番の並びは問題なさそうだ。
2番は打率・OPSが1番から7番までで最も低かった。梨田昌孝時代はペゲーロを据え「恐怖の2番」と話題を呼んだこともあったが、昨季は悩んだ打順。茂木栄五郎と島内宏明は2番出場時にまずまずの成績を残したものの、序盤は島内が慣れない4番を務めるなど、ほかの打順との兼ね合いでなかなか上位を固定することができなかった。
【2019年 2番出場時の打撃成績】
・島内宏明(240打席)
打率.277/出塁率.362/長打率.398/OPS.760/5本塁打
・茂木栄五郎(103打席)
打率.282/出塁率.378/長打率.424/OPS.801/2本塁打
そこで、今季の2番打者として期待したいのが鈴木だ。昨季はロッテで自身最高の15本塁打を放ち、長打力の面で飛躍。2番打者としては407打席に立っている。
【2019年 2番出場時の打撃成績】
・鈴木大地(407打席)
打率.291/出塁率.373/長打率.466/OPS.839/12本塁打
1番打者が凡退すれば出塁してチャンスメーク。走者がいれば盗塁のアシストや犠打、進塁打と、様々な制約がある中、近年は打力も重視されるようになってきている2番打者。特に昨季の鈴木は1番にスピードが売りの荻野貴司がいる中での2番だったが、チームトップ13個の犠打を決めつつ、クリーンナップ級の打撃成績を残している。
まさに理想的な2番打者といえるだろう。石井一久GMは今後のチームの課題に「バントやスクイズなどの精度やサインミスなどの多さ、走塁を含めた先の塁への意識改革」を挙げている。鈴木は強打だけでなく、こういった細やかな野球の起点となれる選手だ。彼が加わることで、楽天打線にどのような化学反応が起きるのか楽しみだ。
2020年プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルス記事まとめ