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「勝利の方程式」確立が課題の広島、今季こそ長打力不足を解消したい阪神【セリーグチーム分析】

野球のイメージ画像ⒸSPAIA
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セーブ失敗が目立った広島

リーグ4連覇を逃し、土壇場で阪神に抜かれて2015年以来のBクラスに転落した広島。投手に目を向けると、先発陣はリーグトップの防御率をマークしたが、守護神が精彩を欠いた。

2019年セ・リーグのセーブ成功率ワーストランキングⒸSPAIA


ブルペン陣の柱としてリーグ3連覇に貢献した中﨑は、開幕から本来の投球にはほど遠く、シーズン半ばに戦線離脱。代役で抑えを務めたフランスアも防御率2.76と健闘したが、セーブ失敗が目立った。今季は球団53年ぶりとなる投手出身の佐々岡新監督のもと、勝利の方程式を確立したい。

得点力が低下したものの、明るい材料も

3連覇を果たした2018年はリーグトップの721得点を挙げた広島打線だが、昨季は591得点と攻撃力が低下。守備位置別OPS(出塁率+長打率)を見ると中堅手、遊撃手の数値が下がっており、巨人へFA移籍した丸佳浩の穴、トップバッターを担っていた田中広輔の打撃不振が響いた格好だ。

2018・19年広島守備位置別OPSⒸSPAIA


そんな中、鈴木誠也が首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得し、西川會澤がキャリア初の規定打席到達を果たしたのは明るい話題だろう。また、ポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた菊池涼、FA権を取得していた會澤の残留が決まり、大きな戦力ダウンは免れた。覇権奪還に向けて、既存戦力の底上げに期待したい。

救援投手がチームを支えた阪神

シーズン最終盤に怒涛の6連勝で3位に滑り込んだ阪神。チームを支えたのは、抜群の安定感を誇った救援陣だ。

2019年セ・リーグ救援投手成績ⒸSPAIA


防御率、奪三振率は3年連続でリーグトップの数値を記録。しかし、強力な救援陣を支えたジョンソンとドリスが退団したのは懸念材料だ。彼らの穴を埋めるのは簡単ではないが、藤川岩崎に加え、昨季一軍に定着した島本らが同様の活躍を見せれば、今季も盤石な救援陣を築くことができるだろう。

助っ人の活躍で長打力不足の解消なるか

一方、打撃では長打力不足が積年の課題となっている阪神。昨季のチーム最多本塁打は大山の14本で、これは12球団で最も少なかった。

2019年セ・リーグ打撃成績ⒸSPAIA


状況を打破すべく、メジャー通算92本塁打のボーア、昨季韓国プロ野球で打点王を獲得したサンズを獲得。来日2年目を迎えるマルテを含め、外国人野手3人体制でシーズンに挑む。阪神の15年ぶりとなるリーグ制覇には、助っ人たちの活躍が必要不可欠だろう。

※文章、表中の数字はすべて2019年シーズン終了時点

企画・監修:データスタジアム、執筆者:中村 碧聖