前巨人のビヤヌエバを獲得
2019年の日本ハムは、シーズン半ばまでは優勝争いに加わっていた。しかし、8月に大失速し最終的には5位に終わっている。また、MLBで複数球団が取り入れている「オープナー」をアレンジし、「ショートスターター」として採用。全てがうまくいったわけではないが、新たな可能性を見出した。
このオフシーズンは先発右腕のドリュー・バーヘイゲンと前巨人のクリスチャン・ビヤヌエバを補強したのみ。昨年は王柏融、金子弌大、秋吉亮、谷内亮太を獲得したが、今年は比較的静かだった。
ドラフトでは1位で河野竜生、2位で立野和明と高卒社会人の即戦力候補を揃って獲得している。日本ハムがドラフト1位、2位の両方で社会人出身の投手を獲得したのは、1992年以来、27年ぶりのことでもあった。即戦力候補が前評判通りに先発ローテーション入りを果たすかが、今年の順位を大きく左右することになりそうだ。
先発投手陣の起用法は?
栗山監督は今年も「ショートスターター」を継続する方針を打ち出している。昨年同様に有原航平や上沢直之といったエース格の投手をのぞいて、継投策を中心とした戦い方になりそうだ。
骨折による離脱から復帰を目指している上沢は開幕には間に合わない。そのため開幕投手が濃厚な有原以外の投手に関する起用法は全くの未知数。現時点では復帰するニック・マルティネス、ブライアン・ロドリゲスそして新外国人のバーヘイゲンら外国人投手たちの起用法もわからない状態だ。
そのようななかで移籍2年目となる金子弌大は「0勝0敗でもいいから50試合、120イニング投げたい」と言い、加藤貴之も「使ってもらうところで全力で」とコメント。ショートスターターありきの起用を想定している。
通常通り長いイニングを任せるのか、それともショートスターターとして早い段階で継投に入るのか。各投手の起用法に注目したい。
一軍キャンプに抜擢された万波中正
今年の日本ハムは、外野手の争いが激しくなりそうである。昨シーズンは左翼・近藤健介(64試合)、中堅・西川遥輝(141試合)、右翼・大田泰示(130試合)がそれぞれのポジションにおける最多出場だった。左翼には故障の影響で途中離脱もあった王柏融(50試合)もいる。この4人が指名打者を含めて、レギュラーポジションに近いのは間違いない。
そのほかの候補としては松本剛、谷口雄也、そして一塁との兼ね合いもあるが清宮幸太郎の名前が挙がってくる。とくに清宮に対しては栗山英樹監督の期待も大きく、「今年は3割30本打つよ 」とトークショーなどでコメントしているほど。一塁の中田翔、もしくは左翼、指名打者で近藤や王との争いになりそうだ。
そして万波中正である。高卒2年目の右のスラッガー候補は、春季キャンプで一軍スタートを勝ち取った。昨年は一軍でこそ4打数無安打だったが、二軍で打率.238(298打数71安打)、14本塁打を記録した。14本塁打はチーム最多でもある。
右の大砲候補、そして中田の後釜としての期待がかかっている。もちろん、いきなり一軍でレギュラーという扱いではないだろうが、次世代への備えとして起用される機会が多くなってもおかしくはない。
その伏線はある。西川が契約更改後の記者会見において、MLB移籍の思いがあることを表明。早ければ、ポスティングシステムを用いて今シーズン終了後にチームを離れる可能性もある。後継者の育成も進めていかねばならなくなったのだ。
今シーズンの勝利、そして次の世代の育成を同時に進めることが求められる。
2020年プロ野球・北海道日本ハムファイターズ記事まとめ