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オリックス・T-岡田が学ぶべき門田博光、山崎武司の「転換点」

2020 1/27 06:00カワサキ マサシ
オリックス・バファローズのT-岡田ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

12球団で最も優勝から遠ざかるオリックス

1996年を最後に優勝から遠ざかり、以後はBクラスに沈むこと18回。直近の5シーズンもすべてBクラスと、オリックス・バファローズは長らく低迷を続けている。だが投手陣は昨季に山本由伸が最優秀防御率の、山岡泰輔が勝率第一位投手賞のタイトルを獲得するなど、明るい日差しも差し込んでいる。

一方、野手に目を移せば、昨季はベストナインに選ばれた吉田正尚が打率.322、29本塁打85打点と孤軍奮闘したが、得点はリーグ最少の544に終わった。明らかな攻撃力不足を補うため、このオフにメジャー通算282本塁打のアダム・ジョーンズの獲得が話題を呼んだ。

さらには、マイナー通算174本塁打のアデルリン・ロドリゲスも獲得。シーズン途中の6月末に中日から金銭トレードで入団し、移籍後に10本塁打を放ったスティーブン・モヤが残留し、助っ人クリーンアップもあり得るとの報道も見受けられる。しかし、だれかを忘れていないだろうか─。

そう、2010年の本塁打王、T-岡田である。2019年はわずか20試合出場に終わり、シーズン後に退団との噂も流れたが残留を決意し、オフには約2カ月間のプエルトリコ・ウインターリーグに参加。今季に捲土重来を図っている。

開き直って長打狙いに絞るべき

T-岡田はプロ5年目の2010年に、33本塁打でタイトルを獲得。22歳での本塁打王は、王貞治以来48年ぶりだった。若き主砲はこのまま順調に成長を遂げるかと思われたが、その後は目覚ましい活躍がなく、次に本塁打が30本を越えたのは2017年と、実に7年の時間を要した。それでもここから復活するかと思えば、2018年は13本塁打、2019年は1本塁打と再び低迷してしまう。

T-岡田が30本塁打越えした年ⒸSPAIA

T-岡田のウイークポイントのひとつは、ケガが多いこと。1年を通して離脱せずにプレーしたシーズンは数えるほど。それが影響してか、調子の波が安定しない。

安定しないといえば、打撃フォームもそうだ。本塁打王を獲った2年後の2012年には確実性を増すため、代名詞だったノーステップからすり足に変更。しかし打率.280、10本塁打と期待外れの成績に終わる。すると翌2013年は飛距離アップを目的に、今度は一本足打法に切り替えたものの、ケガもあって58試合出場で4本塁打。これらをはじめ、ほぼ毎年のように打撃フォームに手を入れているが、結果がついてこない現状では、言葉を選ばなければ迷走しているようにも映ってしまう。

ファンがT-岡田に求めるのは一、二塁間を抜くタイムリーヒットではなく、勝負どころで相手エースの心を折るように、京セラドーム大阪の外野上段席に突き刺さる豪快な一発のはず。打率と本塁打の二兎を追うのではなく、開き直って長打狙いのバッティングに絞っても良いのではないだろうか。

吉田、ジョーンズが期待通りの働きをすると仮定して、T-岡田は6~7番くらいの打順で打率は.250~.260前後としても、シーズン25本塁打以上の働きをすれば、今季のオリックスは往年のブルーサンダー打線のような強力打線が形成できる。そのなかでT-岡田を往年のブルーサンダー打線の選手になぞらえるなら、主軸のブーマー、門田博光のあとを打った、藤井康雄のようなイメージだ。

長打狙いに徹した門田博光、配球を研究した山崎武司

2回目の30本塁打到達まで、7年以上の時間を要した選手はT-岡田を含めて3人いる。

一人は門田博光である。門田は南海でプロ2年目だった1971年に23歳で31本塁打を放ち、次に30本を越えたのは1980年の41本。このとき、32歳だった。キャリア初期は中距離打者だったが、1979年のキャンプでアキレス腱を断裂し、復帰以降は「走らなくていいから、足への負担が少ない」と長打狙いに徹する。以降44歳で引退するまで、シーズン30本塁打以上を7回も記録した。

門田博光が30本塁打越えした年ⒸSPAIA


もうひとりは山崎武司。1996年の中日時代に、初の30本越えとなる39本塁打でタイトルを獲得する。このときは高卒9年目の27歳で、やや遅咲きだった。それから11シーズン後の2007年。オリックスを経て楽天に移籍していた山崎は、39歳で43本塁打を放ち、再びタイトルを手にした。

中日、オリックス時代は感性でプレーするタイプだったが、楽天で野村克也監督からの訓示を受けて、相手投手の配球を研究するようになった。これが成功し、2年後の2009年にはタイトルこそ逃したものの、41歳で39本塁打を記録している。

山崎武司が30本塁打越えした年ⒸSPAIA


門田はケガをきっかけにした大胆な打撃スタイル改造で、山崎は頭を使った野球に取り組んだことで、本塁打数と選手寿命を延ばした。

T-岡田は今季32歳。まだまだ、老け込む年齢ではない。門田と山崎のような転換点を自ら作り出せるかが、自身の今後のキャリア、そしてオリックスが悲願の優勝を果たすためのカギになるだろう。今季はT-岡田の復活、いや、変革に期待したい。

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