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オリ山本、ロッテ種市ら好投手揃う「98年世代」 先発投手の人材難を救うか?

2020 1/20 06:00青木スラッガー
オリックス・バファローズの山本由伸ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

「先発投手」に異変……?

近年のプロ野球はブルペンの重要性が年々増している。強力なリリーフ陣はペナントを制するための必須条件ともなった。一方で、先発投手の役割が変わりつつある。

2018年、初めて規定投球回到達者が両リーグとも1桁(セ・8人、パ・9人)にとどまった。昨季も規定に届いたのはセ・9人、パ・6人で、両リーグ1桁は変わらず。パ・リーグの6人は過去最少の人数だった。昨季は沢村賞レースに関しても、19年ぶりの「該当者なし」という残念な結果に。日本ハムはリリーフ投手を先発させる「オープナー」を導入して話題となったが、これも先発投手の駒が足りないゆえに生まれた策だろう。

日本の野球界において、先発投手は一番の花形ポジションだ。現在は、試合前日に先発投手を発表する予告先発制度も実施されており、先発投手の存在感は客入りにも大きく影響する。今年は、「客を呼べる先発投手」が1人でも多く台頭してきてほしいところだ。

そこで、各球団の若手投手たちに目を向けてみると、好素材がゴロゴロいる世代がある。「○○世代」といえば、近年ではヤンキースの田中将大、巨人の坂本勇人らの「88年世代」からトップ選手が数多く誕生した。

彼らの10年後に生まれ、今年が高卒4年目となる「98年世代」も、そういった球界をけん引する世代となっていきそうな気配がある。

「98年世代」の山本由伸、今井達也、種市篤暉が本格派右腕として台頭

例えば、昨年のプレミア12代表に最年少で選出されたオリックス・山本由伸がこの世代の中心だ。2年目にリリーフエースとしてブレイクし、3年目の昨季は先発に転向して最優秀防御率(1.95)を獲得。日本のエース候補と言っていいほどの位置にまでのぼりつめ、東京五輪でも主戦投手としての活躍が期待されている。

現在は山本が突き抜けた存在になっているが、高校時代に世代の主役だったのは作新学院で夏の甲子園優勝投手となった西武の今井達也である。今季は開幕から先発ローテーションに定着して7勝。着実に成長を見せた。防御率は4.32だったが、速球の平均球速は先発としてトップクラスの146キロと、やはりエース級のポテンシャルを持っていることは間違いない。

もうひとり、パ・リーグの本格派先発右腕として昨季ブレイクしたのがロッテの種市篤暉だ。8勝2敗、防御率3.24の成績を残し、先発ローテーションに定着。パ・リーグの100投球回以上の投手では、ソフトバンクの千賀滉大に次ぐ奪三振率10.41をマークしており、落差の大きいフォークを武器に奪三振王の有力候補となりそうだ。

ソフトバンクには最速160キロ左腕、社会人卒ルーキーにも注目

上の3人が目立つが、ほかにも好素材はまだまだいる。

楽天の藤平尚真、オリックスの榊原翼、広島のアドゥワ誠、阪神の才木浩人、DeNAの京山将弥は、すでに一軍で先発として頭角を現している。昨季68試合に登板してチーム最多の28ホールドを挙げたヤクルトの梅野雄吾をはじめ、日本ハムの堀瑞輝、中日の藤嶋健人など、リリーフとして一軍で戦力になっている投手たちも先発転向で飛躍する可能性はあるだろう。

まだ一軍で目立った活躍を見せていないダイヤの原石も多い。巨人の髙田萌生は、2年目に二軍で最多勝・最優秀防御率・最高勝率のタイトルを獲得している。ソフトバンクの古谷優人は、三軍戦で日本人左腕最速の160キロを計測し注目された。

さらに、高校卒業後に社会人野球へ進んだ同学年の選手も、今年からプロの世界へ飛び込んでくる。日本ハム1位指名の河野竜生をはじめ、日本ハム2位の立野和明、西武2位の浜屋将太、巨人2位の太田龍と、2位以内に4人の98年世代投手が指名されている。

球界全体で先発投手が不足している中、逸材揃いの「98年世代」。ローテーション候補として各チームの鍵を握る存在であり、どれだけの投手が今季飛躍するのか、そこに球界の未来がかかっているのかもしれない。

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