最低でも「IsoP」は.160以上ほしい
球界屈指の盗塁技術を持ち、2020年オフにポスティングシステムによるメジャー挑戦希望を公言している日本ハム・西川遥輝が、今季は長打力を求める意向であるとの報道があった。
長打力は長打率で比較されることが多いが、「塁打÷打数」で計算されるため、安打が全て内野安打でも長打率は10割となる。より純粋にボールを遠くへ飛ばす能力を比較するならば、「長打率−打率」で計算されるIsoP(Isolated power)の方が適している。この数値が.200を超えれば間違いなく優秀、.180以上で主軸クラスの強打者とされる。
昨季の西川のIsoPは.097。俊足が売りの外野手であり長打力を売りにしているわけではないが、フライボール革命が巻き起こったメジャーでは2019年、歴代最多の6776本塁打が飛び交った。これまでの最多は2017年の6105本だったから10%以上増えている。その中で勝負するには少し寂しい数字か。
今季からメジャーに移籍するレッズ・秋山翔吾の昨季のIsoPは.168。直近3年は20発を打っており2017、2018年のIsoPは.200を超えている。俊足巧打の偉大な外野手、イチローも日本では例年15本前後の本塁打を放っておりIsoPは.160前後、シーズンによっては.200以上も記録していた。
メジャー挑戦を目指しながら断念した広島・菊池涼介の昨季のIsoPは.144。契約前に実技テストを受けたヤクルト・青木宣親の渡米前年のIsoPは.068だったが、これは低反発球の影響が大きかったと考えられ、その前の3シーズンでは.182、.142、.151と一定以上の力は示していた。
西川の最高IsoPは自身唯一の2桁本塁打を記録した2018年の.127、メジャー移籍を実現するなら今季は最低でも.160以上は記録したいところだ。