シーズン後半にリリーフ陣の一角を担う
2019年、圧倒的な打撃力でリーグ2連覇を達成した西武。投手力を不安視されながらも、クローザーの増田達至、セットアッパーの平井克典らリリーフ陣の健闘も光った。そんな中、シーズン後半から彗星のごとく現われ、増田や平井らと共に必勝リレーの一角を担ったのが今年高卒3年目を迎える平良海馬だ。体重98kgの巨漢から繰り出す直球の平均球速は150.7km。昨年11月で20歳になったばかりの若き右腕は、強打者相手にも全く動じることなく自慢の剛速球でねじ伏せるシーンが目立った。
圧巻だったのは9月6日の楽天戦。強打者の浅村栄斗を迎えるも、2球目に155kmの直球で空振りを奪うと、4球目には外角低めにキレよく逃げていく136kmのスライダーで空振り。5球目には155kmの直球を投じて空振り三振を奪った。1球目のスライダーと3球目の直球はストライクゾーンから大きく外れるなど制球に少々難はありながらも、マウンド度胸とガンガン押していく強気の投球は未来のセットアッパー、クローザーとしての資質を感じさせるに十分なマウンドだった。
プロ入り1年目の2018年シーズンは1軍での登板機会はなく、2軍で投げたのもわずか10試合、防御率は5.40だったが、昨季7月19日にプロ入り初登板を果たすと、以降はリリーフ投手の不足もあり1軍に帯同。8月23日の楽天戦ではプロ初ホールドをマークすると、8月28日の日本ハム戦ではプロ初セーブもマーク。1軍初昇格は7月8日ながらも、その後は26試合に登板してリリーフ陣の一角を担った。
際立つのは球の速さ。8月27日の日本ハム戦では7回から登板し、西川遥輝に対しての5球目に球団史上最速タイとなる158kmをマークした。同試合では15球を投げたうちの13球が直球。そして、その全てが150km超えという圧巻の内容。ソフトバンクの甲斐野央も150km台後半の直球を連発するが、リリーフにこれだけ球の速い投手が出てくると相手チームにとってはやっかいだ。ここ数年、リリーフ陣の整備に苦慮していた西武にとっては、今後も非常に大きな戦力となるだろう。