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数字でみる2019年のロッテ 本塁打倍増で得点も108点UP、奪三振率も大きく上昇

2019 12/29 17:00勝田聡
ロッテ・井口監督ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

レアードらの加入で本塁打が倍増

2019年シーズンのロッテは、最終盤まで3位争いに加わっていたが、わずか2ゲーム差で4位に終わった。

表1_2019年シーズンロッテ各種成績ⒸSPAIA


2018年シーズンはチーム本塁打数が78本でリーグワーストだったが、今季は158本へと倍増した。これは昨オフZOZOマリンスタジアムに、ラッキーゾーンにあたるホームランラグーンが設置された影響と、ブランドン・レアード、シーズン途中に加入したレオネス・マーティンといったふたりの外国人選手の力が大きい。

それに伴い、チームの総得点も534点から642点へと108点も増加している。チーム打率は.247→.249でほぼ横ばいだったことから考えると、単純に本塁打が増えて得点力が上がったと言えそうだ。

一方で被本塁打数も129本から143本へ増えた。ただ、本塁打数が大きく伸びたのに比べ、被本塁打数をある程度の増加にとどめることができたのは理想的だった。

ソフトバンク相手に貯金9も西武とオリックスに苦戦

2019年シーズン、対西武は8勝16敗1分の借金8、対ソフトバンクは17勝8敗で貯金9。対オリックスは9勝15敗1分で借金6と相性の良し悪しがかなり出た。

大きく勝ち越したソフトバンク戦では、井上晴哉とレアードのふたりが8本塁打ずつを記録。井上は今季の24本塁打のうち、3分の1をソフトバンク戦で稼いだことになる。同じくレアードは32本塁打のうち4分の1。チームでは36本塁打と、ソフトバンクはもっとも多く本塁打を記録した相手となった。

西武には打ち込まれた。防御率4.70はパ・リーグ他4球団と比べると極端に悪い。特に唐川侑己(8試合/防7.36)、東妻勇輔(6試合/防9.00)、酒居知史(8試合/防6.57)と圧倒的な西武打線の前に中継ぎ陣が打ち込まれている。

オリックス戦は打率.236、防御率3.83と極端に悪いわけではないが、ポイントゲッターである井上とレアードのふたりが抑え込まれている。井上は打率.205、2本塁打、5打点、レアードは打率.188、4本塁打、9打点と本塁打こそ出ているものの低打率に終わったのは痛かった。

チーム全体で奪三振力が大幅に向上

投手陣を見ると、奪三振数が908から1110と大きく増えた。それに伴いK/9(1試合9イニングあたり何個の三振を奪うかを表す指標)も6.40から7.80へと上昇している。1試合での奪三振数が1個以上増えたことになる。

これには種市篤暉の躍進が大きい。高卒3年目の今季、種市は116.2回を投げ135三振を奪い、K/9は10.41。これは中継ぎを含めても、チーム内で20イニング以上を投げている投手の中でトップの数字となる。BB/9(1試合9イニングあたり何個の四球を出すかを表す指標)は3.93と改善の余地はあるが、三振を奪える力は魅力的だ。

このオフにロッテは大きな補強を行った。投手では先発の美馬学をFAで獲得。ジェイ・ジャクソン、フランク・ハーマンとNPB経験のある中継ぎの外国人選手2人を補強した。涌井秀章が金銭トレードで楽天へと移籍したが、既存戦力には種市をはじめ二木康太や岩下大輝、小島和哉と若い先発投手が揃っている。野手では福田秀平をFAで獲得した。既存戦力では、マーティンと契約を更新。大砲候補の安田尚憲も二軍で結果を出した。一軍でのレギュラー争いに割って入ってくるだろう。

井口資仁監督は、既存戦力と新戦力を融合させることでチームを上位に導けるだろうか。その采配に注目だ。