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強打者の証「3割、30本塁打、100打点」今季の達成者は0 来季期待できる選手は?

2019 12/15 06:00勝田聡
野球のイメージ画像ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

今季、「打率3割、30本塁打、100打点」の達成者は0人

プロ野球の世界には成績の基準となる数字がある。野手であれば打率3割や30本塁打そして100打点、投手なら2ケタ勝利や防御率2点台、抑えの30セーブも該当する。もちろん他にも数値はあるが、これらをクリアすれば一目置かれる存在になる。同時に複数達成すると、超一流にぐっと近づく。たとえば、強打者の証である「打率3割、30本塁打、100打点」がそうだ。

2018年、岡本和真(巨人)が史上最年少でこの3つ全てをクリアして話題となった。一方のパ・リーグでは、浅村栄斗(当時西武・現楽天)と柳田悠岐(ソフトバンク)のふたりが快挙を達成している。

しかし2019年、この数字に到達した選手はひとりもいなかった。2018年の達成者である岡本と浅村は、ともに30本塁打をクリアしたものの、打率3割と100打点には及ばなかった。柳田は負傷による離脱期間が長く、1項目も届かなかった。

複数年連続での達成が難しい「打率3割、30本塁打、100打点」だが、これに準ずる選手は何人いたのだろうか。

2項目クリアはソトや山川穂高ら5人

打率3割、30本塁打、100打点の部門ごとの人数は、打率3割以上は11人、30本塁打以上は14人、100打点以上は4人いた。このなかでは30本塁打のハードルが一番低いようだ。

表_打率3割、30本塁打、100打点のうち2つクリアした選手ⒸSPAIA

3項目のうち2つをクリアしたのは5人。ハードルが一気に上がる。30本塁打と100打点の組み合わせでは中村剛也(西武)、ネフタリ・ソト(DeNA)、山川穂高(西武)の3人。打率3割と100打点が森友哉(西武)、打率3割と30本塁打が坂本勇人(巨人)だ。両リーグの本塁打王はそろって30本塁打、100打点を記録したことがわかる。

この5人の中では、打点が「6」及ばず94に終わった坂本がもっとも惜しかった。打点は打順に左右されやすい。今季、坂本は全143試合に出場し(うち141試合で先発)、1番16試合、2番117試合、3番3試合、4番5試合と、2番での出場が最多。一般的に打点を稼ぎやすいとされる3番、4番での出場が多ければ結果は違っていたかもしれない。

また、2つをクリアした選手の所属チームを見ると西武が3人、巨人とDeNAがそれぞれ1人ずつ。西武と巨人はリーグ制覇を果たし、DeNAは2位でクライマックスシリーズへ進出したのも興味深い。

吉田正尚や鈴木誠也にも期待大

2項目の達成とはならなかったが、2020年シーズン以降、このハードルを超える可能性を持つ選手には吉田正尚(オリックス)、鈴木誠也(広島)がいる。吉田は2年連続で打率3割、25本塁打、85打点以上を挙げた。入団当初は故障が多かったが、この2年は全試合出場を果たしている。

一方、プレミア12で侍ジャパン日本代表の4番を務めた鈴木は、4年連続で打率3割、25本塁打以上を記録、2018年には30本塁打を放っている。100打点への到達こそないが、4年間の平均は92打点であと一息だ。

はたして、2020年シーズンは強打者の証である打率3割、30本塁打、100打点に何人の選手が到達するのだろうか。

※数字は2019年シーズン終了時点