このオフはロッテが補強に動く
このオフ、ロッテの動きが激しい。国内FA権を行使した美馬学と福田秀平の獲得に成功すると、外国人選手についても2019年シーズン途中に加入したレオネス・マーティンとの契約を延長し、広島で2018年シーズンまでプレーしていたジェイ・ジャクソンの獲得を発表した。今後も新たな外国人選手獲得の可能性はあるが、現時点では日本で実績のある選手たちを軸に戦うということなのだろう。これは2019年シーズンの開幕前に迎え入れた新外国人選手が結果を残せなかったことも理由のひとつかもしれない。
では、新外国人選手が結果を残せなかったのはロッテだけなのだろうか。2019年シーズンにパ・リーグへやってきた新外国人選手たちの成績を振り返ってみたい。
野手ではブラッシュが唯一のおおあたり
もっとも結果を残した野手は、楽天にやってきたジャバリ・ブラッシュだろう。長距離砲の期待を背負って来日したブラッシュは、開幕3試合目で初本塁打を放つと、好不調の波はありながらもチーム最多タイとなる33本塁打、チームトップの95打点を叩き出した。スラッガーにありがちな選球眼の悪いタイプではなく、出塁率.397はリーグ4位。1年目から存在感を存分に発揮し、2020年シーズンの残留も決まっている。

開幕前から所属していた他の外国人選手たちは苦しんだ。ブラッシュと同じく長打を期待されていたロッテのケニス・バルガスは明るいキャラクターで人気を博したが、35試合でわずか1本塁打に終わった。オリックスのジョーイ・メネセスは開幕前に行われた日本代表対メキシコ代表の試合で1試合4安打を記録。シーズンでも同様の活躍が望まれたものの、5月上旬に登録抹消され、その後ドーピング違反が発覚しそのまま解雇となった。日本ハムにやってきた王柏融は故障もあり、打率.255と本領を発揮できず、台湾の英雄としてはかなり物足りない数字に終わってしまった。
一方、途中加入のマーティンは52試合で打率.232ながら14本塁打を記録しパワーを見せた。レーザービームでも投手陣を助け攻守に渡って貢献したと言える。
投手ではニールが11連勝で優勝に貢献
投手陣では西武のザック・ニールが奮闘。投球回数は100.1回と規定投球回に届いていないが、11連勝を含む12勝をマークし防御率2.87と優勝の立役者に。成績面だけではなくお立ち台で「あざーっす」と答える様は人気となり、自身が不在だったファン感謝デーではニールに扮した熊代聖人がこのセリフを発しファンを喜ばせた。

中継ぎ投手では、楽天のアラン・ブセニッツがセットアッパーとして結果を残している。54試合で28ホールド、防御率1.94と守護神の松井裕樹につなぐ役割をつとめあげ、8月には14試合で11ホールド、防御率0.00と圧巻の数字で月間MVPも受賞した。
その他の外国人投手たちは苦しんだ。オリックスのタイラー・エップラーは24試合に登板し4勝をマークしたが、防御率は4点台。日本ハムのジャスティン・ハンコック、ジョニー・バーベイトも結果を残せておらず、ロッテのジョシュ・レイビンは守護神候補だったが、わずか2試合の登板に終わってしまった。
シーズン途中に加入したソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニアは、一軍での登板機会はなかった。2018年の全米ドラフト1巡目指名を受けた選手だけに、今後の成長に期待がかかっている。
ロッテに限らず、新外国人選手たちの多くが結果を残せなかった2019年。ブラッシュやニールのように、チームを上位へ導く活躍を2020年シーズンの新外国人選手たちには期待したい。
※数字は2019年シーズン終了時点