パーラやエスコバーが来日予定
国内FA権を行使した選手達の移籍先が決まり、ストーブリーグの話題は新外国人選手の獲得に移っている。
すでにヤクルトは2015年にゴールドグラブ賞受を賞者したアルシデス・エスコバーを、巨人は世界一になったナショナルズからヘラルド・パーラを、阪神はメジャー通算92発のジャスティン・ボアを獲得。2020年シーズンはそれぞれ、主軸として活躍することを期待されている。これから行われるウインターミーティングの状況次第では、さらなる大物が来日する可能性も十分にあるだろう。
2019年シーズンも多くの新外国人選手が来日したが、その選手達は1年目から日本に馴染み、結果を残すことができたのだろうか。まずはセ・リーグにやってきた新外国人選手たちの成績を振り返ってみたい。
マルテは残留もビヤヌエバらは自由契約に

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セ・リーグの新外国人野手は4人。そのなかで開幕前から所属していたのは、巨人のクリスチャン・ビヤヌエバと阪神のジェフリー・マルテの2人だけだった。大砲候補として期待されていた両選手だが、ともに規定打席には到達せず苦しんだ。ビヤヌエバは巨人を自由契約となったが、12月に入り日本ハムが獲得を発表。2020年はパ・リーグに戦いの舞台を移すことになる。
一方、故障があったマルテが一軍初昇格したのは開幕から1ヶ月後の4月29日のことだった。その後、降格せずにシーズンを完走。105試合に出場し、12本塁打を記録している。極端に悪い成績ではないが、主軸、そして大砲候補としては少し物足りない。2020年シーズンも残留となるが、ボアが加入することで一塁ではなく三塁に回ることが濃厚。4番候補の大山悠輔と争うことになりそうだ。また外国人投手次第では枠の関係上、二軍でプレーする可能性も。マルテにとっては、厳しいシーズンになるかもしれない。
シーズン途中にやってきたヤンガービス・ソラーテ(阪神)、フアン・サンタナ(広島)も結果を残すことができず、自由契約に。このように2019年シーズン、セ・リーグにやってきた新外国人野手は軒並み苦しんだ。
ジョンソン、マクガフら中継ぎ陣が結果

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野手陣に比べ、結果を残した選手が多い投手陣。そのなかでとくに目立ったのが、阪神のピアース・ジョンソンだ。パワーカーブを武器に中継ぎとして58試合に登板。40ホールド、防御率1.38と強固な中継ぎ陣の一角を形成。夫人の出産で10月に一時帰国したため、クライマックスシリーズには登板できなかったが、年間を通して十分すぎる活躍を見せたと言っていいだろう。2020年シーズンの去就は明らかになっていないが、MLB復帰を希望しているようだ。
最下位に沈んだヤクルトのスコット・マクガフも65試合に登板。石山泰稚が離脱後は守護神も務めるなどフル回転。チームに欠かせない戦力となった。2020年シーズンの契約も決まっている。
優勝した巨人は守護神として期待されていたクックが振るわず、シーズン途中にルビー・デラロサを獲得。代役として守護神に定着すると、26試合の登板で防御率2.25と結果を残し、巨人にやってきた新外国人選手のなかで唯一残留を勝ち取った。
広島のカイル・レグナルトも中継ぎとして52試合に登板。シーズン序盤から防御率0点台と驚異的な投球を見せるも、夏場以降に打ち込まれ最終的には防御率3.34と平凡な数字に終わってしまった。不振の選手が多かった中継ぎ陣の中では結果を残せたと言えるのだが、7月が11.54、8月が7.94、9月が6.35と7月以降の防御率がかなり悪かったことが影響したのか契約は更新されなかった。
DeNAはシーズン途中にサミー・ソリスを獲得したが、外国人枠の問題もあり一軍登板機会は4試合にとどまっている。
先発タイプはヤクルトのアルバート・スアレス、中日のエンニー・ロメロ、広島のケーシー・ローレンスとエマイリン・モンティージャの4人。8勝をマークしたロメロは規定投球回に届かず、故障離脱が多いスアレスは4試合のみの登板と期待に答えることはできなかった。ローレンスはその他の外国人選手の活躍もあり、登板は1試合だけ。その1試合で結果を残すことができず自由契約に。育成契約から這い上がってきた選手であるモンティージャは2020年シーズン以降に期待されている。
2019年を振り返ると、投手陣では中継ぎの選手が好結果を残している。2020年シーズンはどのような外国人選手がやってくるのだろう。このオフの動向に注目したい。
※数字は2019年シーズン終了時点