投打ともに核となる選手は結果を残した
オリックスは西村徳文新監督体制で臨んだシーズンだったが、前年の4位から順位を2つ下げ最下位に沈んでしまった。
オリックスの野手陣では吉田正尚と福田周平が規定打席に到達した。吉田は30本塁打には届かなかったものの、打率.322(521打数168安打)、29本塁打、85打点と堂々の成績。一方の福田は打率.250(492打数123安打)ながら、30盗塁と足で魅せた。
また新人の中川圭太は規定打席にこそ到達しなかったが、打率.288(364打数105安打)とドラフト7位指名としては上々の成績を残している。セ・パ交流戦では新人として初めての首位打者も獲得。2020年シーズン以降に期待をもたせてくれる内容だった。
投手陣では山本由伸が大躍進。初めて規定投球回に到達し、最優秀防御率のタイトルを獲得した。エース格である山岡泰輔も最高勝率のタイトルを獲得した。ふたりそろって野球日本代表・侍ジャパンの一員としてプレミア12に出場したのは、大きな財産となったはずだ。
これだけ投打の駒は揃っている。その他の選手達の底上げがあれば、すぐの優勝とはいかなくとも、Aクラス争いに割って入ることは難しくないだろう。
高卒3年目のシーズンを迎える西浦颯大に期待
野手で期待がかかるのは来季高卒3年目のシーズンを迎える西浦颯大だ。2019年シーズン、開幕戦で「2番・中堅」でスタメン出場を果たすと、いきなり2安打を記録し4試合連続安打と上々のスタートを切った。ところがその後、調子を落とす。4月末の時点では打率.242で踏みとどまっていたが、5月に入ると当たりが出なくなり、5月に1度、そして6月10日にも登録を抹消されてしまった。
8月14日に一軍へ復帰したが、以降の打率は.202(84打数17安打)と上向くことなくシーズンを終えた。シーズントータルで打率.195(220打数43安打)、レギュラーとしては物足りない数字である。
しかし、まだ高卒2年目のシーズンが終わったばかり。来季中堅のポジションを奪い取り、レギュラー争いに勝ち残れば、チームの今後の軸となってくれるはずだ。
山岡泰輔、山本由伸と同期の榊原翼
2019年シーズン、山本と同じく高卒3年目の投手・榊原翼が一気に頭角を現した。育成から2018年の開幕前に支配下登録。支配下2年目となる今季、開幕ローテーションに入り、6月末までに3勝4敗、防御率2.72と結果を残した。
味方の援護がなく勝ち星こそ伸び悩んだものの、6月末の時点で防御率ランキングは5位。新人王を争えるほどの成績を挙げていた。だが、右肩を痛め戦線離脱、9月19日にようやく一軍復帰を果たした。
2020年シーズンは再び開幕ローテーション入りを目指す。チームには同じ2016年ドラフト組の山岡、山本のほか、アンドリュー・アルバースもおり、先発の軸になる投手が揃ってきている。そこに榊原が4番手で入れば、より強固な布陣になるのは間違いない。
榊原は年間を通して先発ローテーションを守りきれるか。それがチーム上位浮上のカギとなる。
※数字は2019年シーズン終了時点