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阪神の4番・大山悠輔に期待されるチーム35年ぶりの生え抜き30本塁打

2019 11/9 06:00勝田聡
阪神・大山悠輔ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

14本塁打は4番としてリーグワースト

11月に入り各球団は若手選手を中心に秋季キャンプを行っている。今シーズン終盤に怒涛の快進撃を見せ、3位に滑り込んだ阪神も例外ではない。

投手陣では臨時コーチを務める山本昌氏が、復活を期す藤浪晋太郎をはじめ若手投手たちに多くのアドバイスを送っている姿が連日のように報じられている。

一方の野手陣には新任の井上一樹打撃コーチが精力的に指導しており、伸び悩む若虎たちを目覚めさせようとする必死さが伝わってくる。

なかでも4番候補のひとり大山悠輔に対する期待はとてつもなく大きい。矢野燿大監督も「4番は奪い取ればいい」と猛檄を飛ばすと、井上打撃コーチも「悔しさを持たないと」と発奮を促している。

今年の大山は開幕から4番を務めたが、シーズン半ばに打順変更となってしまった。最終盤に再び4番へと返り咲いたが、満足のいく1年だったとはいい難い。2020年シーズンは開幕から1年間を通して4番を守り通したいはずだ。

数字を見ると、最終的には全143試合出場を果たし打率.258(538打数139安打)、14本塁打、76打点。また、得点圏打率.318は打率より.060高く、梅野隆太郎(.330)に次ぐチーム2位。76打点はチームトップと来季が楽しみな成績を残している。

しかし、4番としては本塁打数が明らかに少ない。セ・リーグ他球団の4番(最多出場)を見ると、岡本和真(巨人/31本塁打)、筒香嘉智(DeNA/29本塁打)、鈴木誠也(広島/28本塁打)、ダヤン・ビシエド(中日/18本塁打)、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト/33本塁打)と比較すると少し物足りない。

ビシエドは18本塁打と20本塁打に満たないが、打率.315、93打点とその他の数字で大山を遥かに上回っている。

広さ、そして浜風もあり本塁打が出にくい甲子園球場を本拠地としてはいるが、「虎の4番」として本塁打の量産を期待したい。

1985年以来生え抜きの30本塁打以上なし

ここ最近の阪神を見ると、30本塁打以上を記録した選手がしばらく出ていない。

直近の30本塁打以上は、2010年のグレイグ・ブラゼル(47本)と9年遡る。外国人選手を除くと、14年前の2005年、金本知憲が40本を放った。さらに生え抜きに限ると1985年の掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)以来、34年間も誕生していない。これだけの長期間に渡って生え抜きの長距離砲が生まれていないのである。

30本塁打の通過点となる20本塁打にハードルを下げてみても、達成者は多くない。2019年シーズンの最多本塁打は大山の14本。これは12球団で最も少ない本数となる。また、2018年シーズンも糸井嘉男の16本塁打がチーム最多。これも12球団で最少の本数だった。

まずは相手投手に恐怖を与えるためにも、大山は最低20本塁打、そして生え抜きとして掛布、岡田以来となる30本塁打の到達を目指したいところだろう。

また、大山は入団当初から背番号「3」をつけている。4番、三塁、背番号「3」といえばやはり「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄が思い浮かぶ。大山が「虎のミスター」になるためにもまずは本塁打。井上打撃コーチとのトレーニングによる成果が2020年シーズンに現れることを期待したい。

※数字は2019年シーズン終了時点