14本塁打は4番としてリーグワースト
11月に入り各球団は若手選手を中心に秋季キャンプを行っている。今シーズン終盤に怒涛の快進撃を見せ、3位に滑り込んだ阪神も例外ではない。
投手陣では臨時コーチを務める山本昌氏が、復活を期す藤浪晋太郎をはじめ若手投手たちに多くのアドバイスを送っている姿が連日のように報じられている。
一方の野手陣には新任の井上一樹打撃コーチが精力的に指導しており、伸び悩む若虎たちを目覚めさせようとする必死さが伝わってくる。
なかでも4番候補のひとり大山悠輔に対する期待はとてつもなく大きい。矢野燿大監督も「4番は奪い取ればいい」と猛檄を飛ばすと、井上打撃コーチも「悔しさを持たないと」と発奮を促している。
今年の大山は開幕から4番を務めたが、シーズン半ばに打順変更となってしまった。最終盤に再び4番へと返り咲いたが、満足のいく1年だったとはいい難い。2020年シーズンは開幕から1年間を通して4番を守り通したいはずだ。
数字を見ると、最終的には全143試合出場を果たし打率.258(538打数139安打)、14本塁打、76打点。また、得点圏打率.318は打率より.060高く、梅野隆太郎(.330)に次ぐチーム2位。76打点はチームトップと来季が楽しみな成績を残している。
しかし、4番としては本塁打数が明らかに少ない。セ・リーグ他球団の4番(最多出場)を見ると、岡本和真(巨人/31本塁打)、筒香嘉智(DeNA/29本塁打)、鈴木誠也(広島/28本塁打)、ダヤン・ビシエド(中日/18本塁打)、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト/33本塁打)と比較すると少し物足りない。
ビシエドは18本塁打と20本塁打に満たないが、打率.315、93打点とその他の数字で大山を遥かに上回っている。
広さ、そして浜風もあり本塁打が出にくい甲子園球場を本拠地としてはいるが、「虎の4番」として本塁打の量産を期待したい。