走攻守揃った貴重な控え野手
ソフトバンクの3年連続日本一で幕を閉じた2019年のプロ野球。その翌日からはじまったFA権申請で、いの一番に書類を提出したのは福田秀平(ソフトバンク)だった。福田は移籍前提というわけではなく「決断できないから宣言した」とコメントしており、各球団の話を聞いてから総合的に判断するという。
内外野を守ることができる守備力と、山田哲人(ヤクルト)に破られるまで保持していた連続盗塁の日本記録を誇る脚力。そして、打撃も一軍レギュラークラスのモノを持っている。だが、これまではチーム事情や自身の怪我もあり、規定打席に到達したことは一度もない。打席数では2016年の239打席、試合数では110試合に出場した2018年がそれぞれ最多となっている。
今シーズンは80試合の出場で打率.259(166打数43安打)、9本塁打、26打点を記録。日本シリーズでも本塁打を記録している。少ない出場機会の中で、本塁打と打点はキャリアハイを更新した。ちなみに、本塁打率は18.4(166打数/9本塁打)で、打数の違いがあるとはいえチームメートの松田宣浩(17.8)や柳田悠岐(18.3)と遜色ない数字を残している。シーズンを通しレギュラーで結果を残したことはないものの、ある程度のパンチ力を兼ね備えていると見ていい。
とはいえ、昨シーズンオフの丸佳浩(広島→巨人)や浅村栄斗(西武→楽天)と比べると実績面で見劣りする感は否めず、リーグの戦力図を一変させるようなインパクトはない。しかし、複数球団による争奪戦が起ころうとしている。これは、福田の能力に魅力があるのはもちろんだが、補償のいらないCランクとみられていることも一因だろう。














