好調の要因の一つ、奪三振率の向上
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5年目の今季はリーグトップの15勝、リーグ2位の防御率2.46をマークするなど、有原航平のキャリアハイを更新する1年となった。様々な成績が良化する中で、注目したいのが奪三振率の向上だ。有原はこれまで三振の少ないタイプの投手で、2017年にはリーグの規定投球回到達者の中で最も低い奪三振率4.69を記録したこともあった。今季の奪三振率は8.82。2年前と比較して、1試合あたり三振を4つ以上多く積み重ねた計算となる。
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5年目の今季はリーグトップの15勝、リーグ2位の防御率2.46をマークするなど、有原航平のキャリアハイを更新する1年となった。様々な成績が良化する中で、注目したいのが奪三振率の向上だ。有原はこれまで三振の少ないタイプの投手で、2017年にはリーグの規定投球回到達者の中で最も低い奪三振率4.69を記録したこともあった。今季の奪三振率は8.82。2年前と比較して、1試合あたり三振を4つ以上多く積み重ねた計算となる。
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三振を奪うための要素はふたつ。ひとつは2ストライクと追い込んだ打席を少しでも多くつくることだ。有原はこの3年間で、追い込んだ打席の割合を着実に増やし、三振を奪う機会をつくれた。追い込む前段階として、ストライクゾーンの中で見送り、空振りが増えているのが特徴だ。
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もうひとつの必要な要素として、決め球の存在がある。有原は左打者にはチェンジアップ、右打者にはフォークと落ちる系のウイニングショットを使い分けてきた。今季は、追い込んでからこれらの球種を投げる割合を大幅に増やしたことに、三振を狙う意図を読み取れる。以前は左打者を追い込んでからカットボールを投げることも多かったが、それもほとんどなくなった。カットボールは一般的に空振りを期待しにくい球種で、有原のも例外ではない。
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有原のフォーク、チェンジアップの奪空振り率は非常に優秀で、ともにリーグの平均値を上回る。チェンジアップは左打者から46個、フォークは右打者から53個の奪三振を記録するなど、狙い通りの威力を発揮。ちなみに両球種を合わせた99個という数字は、パ・リーグ最多奪三振の千賀滉大(ソフトバンク)がフォークで奪った三振の数と同じである。
確実にストライクを奪って打者を追い込み、落ちるボールを多投してフィニッシュ。190センチ近い体格から150キロを超えるストレートを投げ込む本格派然としたスタイルでありながら、これまでは意外なほど三振が少なく、制球力と打たせて取る技術で勝負していた有原。モデルチェンジを果たした5年目、成績も伴った本格派エースとしてチームの大黒柱となった。
※文章、表中の数字はすべて2019年レギュラーシーズン終了時点
企画・監修:データスタジアム
執筆者:片山 信春