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高津ヤクルトは2位以上でCS?過去の新監督は大型補強で成績向上

2019 10/6 06:00勝田聡
ヤクルト新監督に就任した高津臣吾氏Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

高津臣吾監督が就任

今シーズン最下位に沈んだヤクルトは来シーズンへ向けた準備を着々と行っている。

シーズン中に小川淳司監督、宮本慎也ヘッドコーチの今季限りでの辞任が明るみになり、シーズン終了後には石井琢朗一軍打撃コーチ、田畑一也一軍投手コーチ、橋上秀樹二軍チーフコーチの退団も発表された。

入れ替わるようにして、10月1日に高津臣吾監督、10月3日には池山隆寛二軍監督の就任がそれぞれ発表されている。一軍、二軍ともに首脳陣を入れ替えて来シーズンを迎えることになる。

もちろん実際にプレーするのは選手ではあるが、監督の影響は大きい。コーチ陣とともに選手の力を伸ばし、さらに持っている力以上のものを発揮できる環境をいかに作り出せるか、マネジメント力が問われるからだ。

これまでにヤクルトが新監督を迎えた年度は前年に比べて成績を上げているのだろうか。1990年に就任した野村克也監督以降で振り返ってみたい。

監督交代の年は成績がほぼ向上

関根潤三監督の後を受けて、野村克也氏がヤクルトの監督に就任したのは1990年のことだった。それ以降、今シーズン終了までに野村監督含め6人(7度)が監督を務めている。

各監督の就任初年度の成績及び、その前年の成績をまとめた表が下記になる。

表_ヤクルト監督就任時の成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

野村監督こそ就任前年度から順位を落としているが、その他の監督は全員が同等以上の成績を残している。野村監督も勝率は前年を上回っており、監督交代で成績がさらに下降したことはないのである。

もちろん、前年度が最下位(6位)であればこれ以上落ちようがない、という事実はある。しかし、表を見ても分かる通り、監督交代を挟んだ2年連続最下位はない。野村監督以外は順位を上げている。

また、セ・リーグでクライマックスシリーズ(以下、CS)が行われるようになった2007年以降では4度(3人)の監督交代があった。高田繁監督の2008年以外、3度の就任年はすべて2位以上で本拠地・神宮球場でのCS出場を果たしているのである。

新監督就任時に大きな補強

補強面はどうだろうか。2011年に小川氏が初めて監督に就任した際、新外国人選手としてやってきたのはウラディミール・バレンティンだった。来日1年目から31本塁打を放ち、本塁打王を獲得。2位浮上の立役者となった。

2015年には球団史上初めて複数人のFA選手(大引啓次、成瀬善久)を同一年度に獲得。大引は離脱があったものの、正遊撃手、リーダーとしてチームを鼓舞し優勝に導いている。

2018年は、前年までメジャーリーグでプレーしていた青木宣親が電撃加入。2月1日のキャンプ開始後に合流となったが、開幕からレギュラーとしてチームを引っ張った。

これからCS、そして日本シリーズが控えていることもあり、もちろん現時点での補強はない。しかし、FA権を取得している十亀剣(西武)や福田秀平(ソフトバンク)、中島卓也(日本ハム)、美馬学(楽天)の調査を行っている、との報道が出た。FA選手獲得の意思はありそうだ。

また、バレンティンが来シーズンからは日本人選手扱いとなる。残留の有無に関わらず、外国人野手の獲得もあるだろう。FA選手や新外国人選手の獲得は、順位を上げる大きな後押しとなるはずだ。

振り返ると、ヤクルトは監督が交代した年度に大きな補強を行い、順位を上げてきたことがわかる。

来シーズンもきっとこの歴史が繰り返されるとファンは願っている。