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セCSは待ったDeNAより6連勝フィニッシュの阪神有利?

2019 10/5 06:00楊枝秀基
2005年と逆の立場で臨む阪神・矢野監督ⒸSPAIA
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5日からファーストステージ

10月5日からセ・パ両リーグでクライマックスシリーズ(CS)が開催される。セ・リーグのファーストステージは土壇場で阪神が3位に滑り込み出場が確定。2位を確定させていたDeNAと対戦する。DeNAのラミレス監督は口にこそ出さないが、阪神の進出を快くは思っていないだろう。

今季は阪神の16勝8敗1分け、8月以降6勝1敗

レギュラーシーズンでの阪神とDeNAの戦いは16勝8敗1分けで阪神の圧倒的有利。クライマックスシリーズが開催される横浜スタジアムでの対戦成績も8勝4敗と、阪神が大きく勝ち越している。DeNA・ラミレス監督も「この球場では阪神打線が機能してしまう」と、シーズン中から頭を抱えていた。

しかも、両軍の8月以降の戦いでは阪神が6勝1敗。この間の7試合での平均失点は1.43点と、阪神の投手陣の状態の良さが際立っている。

もちろん、シーズンでの順位でいえばDeNAが2位。だが、最終的にそのゲーム差は0.5しかない。しかも、9月24日に早々と2位が確定した横浜と、レギュラーシーズン最終戦の9月30日にCS出場を決めた阪神では実戦勘が違う。さらに、阪神は絶対負けられない状況が続く中、6連勝フィニッシュで3位を確定させた。短期決戦において優位となる、勢いという部分でも申し分ないだろう。

矢野監督は2005年と逆の立場

阪神・矢野監督は現役時代に苦い経験をしている。2005年の阪神は終盤に粘る中日を振り切り9月29日に優勝決定。セ・リーグにはプレーオフがなかったため、10月22日の日本シリーズ開幕まで約3週間待ち続けた。

この期間中にパ・リーグはプレーオフを実施しリーグ2位のロッテが日本シリーズ進出。直前まで負けられない試合を続けてきたロッテと、調整期間の長すぎた阪神とのコンディションの差は明らかで、阪神は日本シリーズで1勝も挙げられずストレートで敗れた。

しかし、今度は逆の立場。シーズン最終戦まで1戦必勝でプレーした勢いをそのままDeNAにぶつけられるはずだ。

他球団スコアラーも「阪神優位」

シーズン中に各チームの戦いを分析してきた、他球団スコアラー陣はこう分析する。

「DeNAは筒香、ソト、ロペスを中心とした攻撃力で押し、クローザーの山崎で逃げ切る野球。阪神は投手力で我慢して、強力な救援陣でさらに粘って僅差で勝つ野球。ロースコアか僅差でどちらに転ぶか分からない状況で、DeNAが勝手にこけるような試合が目立った。両軍の戦績に大きな差は出ていますが、実力はそこまでの差はない。とはいえ、今年の戦いを客観的に振り返れば阪神優位ということになるでしょう」

DeNAからすれば13勝11敗1分けと勝ち越していた広島との対戦が良かったに違いない。

初戦先発はDeNAと好相性の西

DeNA打線は今季、阪神に対して対戦打率.232。試合中盤での登板が予想される左腕の岩崎には防御率0.00、島本には0.63と、ほぼ完璧に抑え込まれた。5日の第1戦での阪神先発予想は西。今季の対戦成績は4試合で防御率1.88と好投している。

対してDeNAの先発予想は今永(今季の対阪神防御率3.26)。単純にデータだけで予測はできないが、DeNAにとっては嫌な相手が立ちはだかることになる。