移籍1年目でCS出場に貢献
2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)出場を決めた楽天。今季はエースの則本昴大が手術の影響で開幕に間に合わず、開幕投手を務めた岸孝之も早々に離脱。先発の核となる2投手を欠いて苦しい戦いが予想されたが、打つ方では新外国人のブラッシュが期待通りの活躍。投げる方では同じく新外国人のブセニッツ、森原康平、松井裕樹らが盤石のリリーフ陣を形成するなど奮闘し、最終的にはロッテとのCS争いを制した。
なかでも大きかったのは、鳴り物入りで昨オフに入団した浅村栄斗の存在ではないだろうか。昨季は3割30本100打点を達成するなど、最強西武打線の中核として西武のリーグ優勝に大きく貢献。楽天でも同じ様な働きが期待されていた。
今季は打率こそ.263(昨季は.310)と下降したものの、33本塁打はキャリアハイ。主軸として92打点を挙げるなど、不動の3番打者として全143試合に出場。チームのCS出場に大きく貢献したことは間違いない。
CS進出を確定させた9月24日のソフトバンク戦では、1点を争う緊迫した試合だったが、終盤逆転に成功すると、その後浅村があわやホームランという大飛球の二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。速球を豪快にセンターへライナーで弾き返した強烈な打球は、浅村の真骨頂ともいえる打撃だった。
とはいえ、様々な課題も浮き彫りに。その最たる項目が得点圏打率の低下だ。昨季はリーグ2位の.369と得点圏で無類の強さを誇っていたが、今季は.257に急降下(リーグ21位)。特にシーズン後半の大事な局面で打てないシーンも散見された。また、三振はリーグワーストの162個(昨季は105個)と増加。このあたりは今後の課題となってくる。
それでも、浅村に対するファンの声は概ねよくやってくれたという声が多い。「楽天において30本以上本塁打を打てる打者がいるだけでチームにとっては十分にプラスだった」「思いのほか打率が上がらなかったのは残念だったけど、移籍初年としては及第点じゃないかな」「移籍初年度のプレッシャーもある中で自己新の33本塁打は立派なものだけどね」など、SNSには称賛の声が多数寄せられている。