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「強い西武」の象徴・外崎修汰の凄さが分かるデータ

2019 9/26 06:00浜田哲男
西武に欠かせない存在の外崎ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

序盤は不振も夏場から復調

2年連続のリーグ優勝を果たした西武。今季も昨季同様、12球団随一の攻撃力で相手をねじ伏せるだけでなく、増田達至や平井克典をはじめとするリリーフ陣が粘りのある投球を見せ、接戦にも強さを見せてきた。

今季は絶対的エースの菊池雄星がメジャーへ移籍。打の中心だった浅村栄斗が楽天に移籍するなど投打の柱が流出した中での不安なスタートとなったが、今季の戦いぶりを見ると、そんな心配は無用だったかのようなチーム力を見せている。

中でも主軸を打ち、二塁を任されていた浅村の穴を埋めている外崎修汰の存在が大きい。

昨季119試合に出場し、打率.287、18本塁打、67打点、25盗塁をマークし、一気にブレイク。内外野を守れるユーティリティー性も相まって西武打線に欠かせない存在となった。

そして今季。外崎はここまで142試合に出場。4月は打率.241、5月は.232と序盤は打撃不振に陥っていたが、6月は.326をマークするなど復調。7月に.239と落ち込んだが、勝負どころの8月で.347と一気に上げた。各打撃部門のランキング上位にも顔を出し、リーグ10位の26本塁打、リーグ5位の90打点、リーグ6位の22盗塁を決めている。打点と本塁打は既にキャリアハイをマークしている。

相手に流れを渡さない好守が際立つ

内外野を守れるユーティリティー性が外崎の特長のひとつであることは前述した通り。それを象徴した試合が9月15日のロッテ戦だった。 同日は二塁で先発出場し、試合終盤には左翼の守備についた。

僅差の緊迫した試合の中、内外野で好守備を見せて、ロッテに流れを渡さなかった。二塁をまわり、猛然と三塁を狙った俊足の荻野貴司を鋭い送球で刺した 場面のプレーは絶品だった。内野手特有の柔らかい身のこなしで捕ってから投げるまでの一連の動作に全く無駄がなく、少しでも遅れたら刺すことができなかっただろう。このプレーは、ロッテの押せ押せムードを完全に絶つと言ってもいいプレーだった。

今季は基本的に、浅村の抜けた二塁手として出場している外崎だが、失策数はリーグワーストの15個。しかし、失策が多いから守備力がないかというとそうではない。

プロ野球のデータ分析・研究を行っているDELTA社によると、「平均的な同ポジションの選手と比べて、失点をどれだけ防いだか」を表す「UZR」(アルティメット・ゾーン・レーティング)という指標において、2019年の外崎はリーグ2位の9.1という数値を残している。ちなみに1位はロッテ・中村奨吾の9.4、3位が楽天・浅村の1.9だ。

特にシーズン終盤の緊迫した試合の中で、外崎の球際の強さが際立っており、遊撃手の源田壮亮との息のあったコンビネーションで幾度となく相手の攻撃の芽を摘んでいる。

パワーとスピードを兼ね備えた打者

外崎の魅力が、パンチ力に加えて機動力も兼ね備えていることは周知の事実。今季は1番と4番以外すべての打順を任された経験があり、 時にはチャンスメイカーとして出塁し、時には走者をかえす主軸としての役割の両方を担っている。得点圏打率.270は物足りなく、対フォークの打率.182、対チェンジアップの打率が.138と落ちる球に脆さがある。そうした部分は課題だが、走攻守トータルでみればその貢献度は高い。

特筆すべきは、セイバーメトリクスの指標・PS(Power-Speed-number)という項目でリーグトップであるという点。算出式は(本塁打×盗塁×2)÷(本塁打+盗塁)となり、この数値が大きいほどパワーとスピードを兼ね備えた打者ということになる。外崎の数値は23.83であり、2位の西武・秋山翔吾が15.00であるため、ダントツのリーグトップだ。

PSランキングⒸSPAIA

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また、対右投手の打率が.270、対左投手の打率が.281と左右の違いも苦にしていない。カウント別の成績をみると、カウント0-0の打率が.409と他のカウント時と比べて高く、狙い球を絞っての思い切りの良いバッティングが功を奏している。

SNSでは外崎に対して、「今の西武の強さの象徴」「浅村の穴は外崎で完全に埋めた。あとは投手力」「好守で本当によくやってくれている」といった称賛の声が多数寄せられている。昨年届かなかったクライマックスシリーズの突破と日本一に向け、好守において外崎の活躍は欠かせない。

※成績は9月24日終了時点