小川監督が退任、掛布SEAは任期満了
優勝争い、順位争い、個人タイトル争いが白熱していることから、9月のプロ野球は盛り上がる。同時に、今シーズン限りでチームを離れる選手や首脳陣の発表も行われ、ファンにとっては寂しさも入り交じる時期だ。
首脳陣では、ヤクルトの小川淳司監督が退任することが決まった。習志野高校出身の小川監督は、最下位だったチームを率い1年目の昨シーズンは2位に躍進。優勝争いも期待された今シーズンだったが、最下位に沈んだためユニフォームを脱ぐこととなった。球団が何らかのポストを用意すると見られており、今後もチームには残ることになりそうだ。
小川監督の2学年先輩にあたる阪神の掛布雅之シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)も退団する。1989年の現役引退後は阪神から離れていたが、2013年にフロントとして復帰。2016年、17年は二軍監督として現場に出たが、昨シーズンからオーナー付きのSEAとしてチームを支えてきた。その任期満了による退団と報道されている。
そして、昨シーズンは2000本安打を達成した福浦和也も、シーズン前から引退を表明していた。既に、9月23日に引退試合を行うことも発表されている。今のところ一軍昇格はないが、引退試合に向けて二軍で汗を流している。
立場こそ違う3人だが、今シーズン限りでそれぞれの役割に別れを告げることになる。
山下斐紹と古谷拓郎が残るOB
山下斐紹(楽天)と古谷拓郎(ロッテ)のように、現役で頑張り続ける習志野高校OB選手もいる。
山下は2010年ドラフト1位でソフトバンクに指名され入団。大学などを経由せず、習志野高校を卒業と同時にプロ入り。高卒捕手ながらドラフト2位だった柳田悠岐以上の評価を受け、当初は城島健司(元・阪神他)を超える逸材としても大きな期待をかけられていた。
しかし、2011年から2017年までの7年間で一軍出場は37試合のみ。高卒捕手ということを割り引いても、なかなか思うような結果を残すことができず二軍で燻っていた。転機が訪れたのは2017年オフのこと。西田哲朗との交換トレードで、楽天への移籍が決まった。
移籍初年度となった2018年シーズン、7年間の出場試合数を1年で超える43試合に出場し、プロ初本塁打を含む2本塁打をマーク。今シーズンも4月末から7月末の約3ヶ月間に渡り一軍でプレー。31試合の出場で3本塁打と、長打力を見せている。5月3日の古巣ソフトバンク戦では2打席連続本塁打も放ち、元チームメートたちに成長した姿を見せつけた。
一方で、打率は2年連続1割台と確実性が低い。守備面でも粗さを見せており、一塁での起用が増えてきた。持ち前の打撃を生かすために、正式なコンバートがあるかもしれない。
そして古谷である。二軍では11試合で6勝3敗、38.1回を投げ、防御率4.70とまずまずの成績だが、高卒1年目の投手ということもあり、まだ一軍昇格の機会は訪れていない。また、一軍ではクライマックスシリーズ出場権がかかった3位争いの真っ只中のため、現時点での昇格は難しいと思われる。果たして、母校の大先輩である福浦の引退試合では、一軍での共演が叶うのだろうか。
同じ習志野高校OBである先輩選手が現役を引退するともなれば、後輩である2人にとっては思いもひとしおだろう。残された習志野高校OBとして志熱く、来シーズンも戦い続けて欲しい。
※数字は2019年9月12日終了時点