栗山、秋山、中村と現役選手が球団記録を多数所持
8月31日の西武対ソフトバンク戦(メットライフ)で、西武の栗山巧が3回に安打を放ちプロ入り通算1807安打となった。これで栗山は石毛宏典の1806安打を抜き、西武(前身含む)の球団記録を更新したことになる。
西武の球団記録を見ると、この安打数をはじめとして、本塁打や打点といった野手の球団記録を保持している現役選手が多いことに気付く。安打と二塁打は栗山、三塁打は秋山翔吾、本塁打は中村剛也が球団記録を更新中だ。その一方で、1980~90年代にかけて西武の中心選手として活躍した清原和博や秋山幸二といったレジェンドたちはキャリアの途中で他球団に移籍したため、球団記録としては少ない。

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他の主要項目はどうなっているだろうか。打率は変動するため測りにくいが、現役選手(2500打数以上)では秋山が打率.301(4604打数1387安打)と唯一3割を超えている。だが、球団記録は和田一浩が記録した.317で、その差は1分6厘とかなり大きい。更新するにしても時間がかかりそうだ。
積み上げ型の記録では盗塁数で金子侑司が健闘している。これまで通算192盗塁を記録し、トップの松井稼頭央の307盗塁まで残り115。金子は現在29歳と衰えるにはまだ早く、あと数年は盗塁を積み上げることができるだろう。故障がなければあと3年から4年で松井の記録に手が届きそうだ。
投手の記録は稲尾和久と東尾修の2人がほぼ独占
一方の投手に関しては、球団記録の多くを昭和のレジェンドたちが保持しており、現役選手の名前はほとんど出てこない。特に稲尾和久と東尾修の両名は複数の項目で今なおトップに輝いている。

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「神様、仏様、稲尾様」でおなじみの稲尾は、西武の前身である西鉄のエースとして756試合に登板。276勝137敗、2574奪三振、防御率1.98の成績を残した。登板数、勝利数、奪三振数、防御率が球団記録となっている。通算251勝をマークした東尾も、247完投、247敗、4086投球回などで球団記録をマーク。ちなみに、与死球数でもトップとなる165を記録している。
この2人の名前が登場しないのが、救援部門の記録だ。ホールドでは星野智樹の105、セーブでは豊田清の135が最多となっている。
この両記録に迫っているのが、今シーズンはクローザーに復帰している増田達至だ。9月4日終了時点で、通算85ホールド、97セーブとなっており、球団記録まで20ホールド、38セーブ。今シーズン中での達成はなくなったが、来シーズン以降の起用法によっては両項目で記録を更新する可能性もありそうだ。
近年のプロ野球はFA制度が整備されたことにより、海外を含めた移籍が容易になった。そのため一球団で現役を終えることも少なくなり、必然的に球団記録を更新する機会も減少している。そのなかで各選手たちはどこまで数字を伸ばしていくのだろうか。通算記録ではなく球団記録を追いかけるのも、野球の楽しみ方のひとつだろう。
※数字は2019年9月4日終了時点