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キャリアハイペースで打ち続けるロッテ・鈴木大地 今季飛躍的に向上した数字とは?

2019 9/3 11:00浜田哲男
千葉ロッテ・鈴木大地ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

数字でもメンタル面でチームを牽引

9月2日現在、3位楽天から2ゲーム差の位置につけている4位のロッテ。2016年以来のクライマックスシリーズ(CS)出場へ向け、まさに正念場を迎えている。今季は開幕以降、長らく5位に低迷していたが、ここに来てチーム状態も上向きだ。

種市篤暉ら若手先発投手の台頭、僅差を守るリリーフ投手の粘りの投球、主砲・井上晴哉の復調など様々な要因はあるが、やはり開幕当初よりチームのために全てを捧げ、牽引している鈴木大地の存在が大きい。

毎年大きな怪我もなく試合に出場し続け、投手がピンチともなればマウンドへ出向いて声をかける。そして、本拠地で勝利した際には、選手らを引き連れてライトスタンドに陣取るファンの前へ行き、率先して喜びを分かち合う。現在はキャプテンの地位は降りているが、誰もが認めるロッテのリーダーだ。

今季は数字の面でも大きく飛躍。打率.300は現在リーグ7位と初の3割も視界にとらえており、出塁率.379も7位と健闘。1番・荻野貴司との1・2番コンビは、相手にとって間違いなく脅威になっている。

また、史上稀にみる9回裏5点差からの大逆転劇の主役となったのも鈴木だった。9回裏に怒濤の攻撃を見せ、一挙に6点を奪い劇的な勝利をおさめたが、本塁打で口火を切り、最後にサヨナラタイムリーで決めたのも鈴木だった。

得点差状況別の成績をみてみると、鈴木は5点以上ビハインドがある時の打率が.400、4点ビハインド時には.357、3点ビハインド時には.500とハイアベレージを残している。この数字をみるだけでも、鈴木が決してあきらめない強いメンタルの持ち主であることがわかる。また、投手の左右を苦にしないことも大きい。対右投手の打率は.290で13本塁打、対左投手の場合は本塁打こそ2本と減少するが、打率は.336と高打率を残している。

何よりも大きいのが、内野の全てのポジションを守り、左翼の守備にもつくマルチプレーヤーぶりだ。今季に至ってはレアードの加入で開幕スタメンから外れたが、毎年のようにチームの方針でポジション変更を余儀なくされている。そのため、様々な葛藤と悔しさを乗り越え、遂にはマルチプレーヤーであることが大きな武器となり、今季初めて左翼の守備についた際に見せた、大飛球をキャッチするスーパープレーは圧巻だった。

“得点貢献能力”が飛躍的に向上

今季は長らく打率3割をキープし、15本塁打と63打点はともにキャリアハイ。現在.379の出塁率もこのまま好調をキープすれば、キャリアハイとなりそうだ。出塁率と長打率とを足し合わせた値であるOPSも昨季が.744で今季は.864と大きく数字を伸ばしている。

そして特筆すべきが、鈴木の“得点貢献能力”だ。打者がどれほど得点を生み出したのかを測ることのできる指標にRC(Runs Created)というものがあり、RCには長打力や出塁能力に加え、犠飛や犠打、盗塁といったOPSにはない要素も加味されている。よって、より精度の高い得点貢献能力がわかる。

今季の鈴木のRCは83.81で、これはリーグ7位の成績。昨季は68.1でリーグ17位であったことを考えると、昨季よりもチームの得点に貢献していることがわかる。

RCはチームの打者全員分の合計がチーム得点数となるため、現在のロッテのチーム得点数556のうち、約84点を鈴木ひとりの力で稼いでいることになる。鈴木は入団以降、主軸を任せられることもありながら通算犠打数が111と献身的なプレーも多い。今季のRCが優れているのは、これまでずっとチームの勝利につながるプレーを積み重ねてきた表れだろう。

パ・リーグRCランキングⒸSPAIA

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チーム状況が良くない時でも、率先して声を出してチームメイトを鼓舞し、自身の調子がよくない日でも最後の打席でヒットを放つなど、常に粘りとあきらめない姿勢をチームメイトやファンに見せ続けている。

あらゆるポジションを守り、ピンチの時にはいつも中心には鈴木がいる。3年ぶりのCS出場と上位進出は、鈴木の存在なくしてはありえない。

※数字は2019年9月1日終了時点

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