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ソフトバンクが千賀の完封などで首位攻防戦勝ち越し 西武はけが人続出で正念場

2019 8/5 11:07勝田聡
パ・リーグ順位表
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Ⓒゲッティイメージズ

首位攻防戦はソフトバンクが勝ち越し

首位・ソフトバンクと2位・日本ハムとの首位攻防戦が行われソフトバンクが2勝1敗と勝ち越しに成功し、首位を堅持した。これで2位日本ハムは首位と2.5ゲーム差となり、さらに2.5ゲーム差の3位に楽天、その楽天から勝率わずか2毛差で西武が続いている状況だ。下位の2チーム、ロッテとオリックスもまだまだ逆転CSを狙える位置に付けている。

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ⒸSPAIA

各チーム残り40試合前後となり、どのタイミングでスパートをかけるかは気になるところ。また夏場は暑さ、日程ともにこれまで以上に厳しくなるため、中継ぎ陣の運用やベテラン選手の休養がポイントとなってくる。各指揮官がどのように選手を起用していくのか注目だ。

また同時にタイトル争いも激しくなる。チームが優勝争い、順位争いをしているか否かで大きく状況は変わってくる。タイトル争いからも目が離せない。

けが人続出の西武は踏ん張れるか

昨シーズンのパ・リーグ覇者である西武が苦境に立たされている。32盗塁で盗塁ランキングトップの金子侑司が、死球を受け大腿骨骨挫傷で登録を抹消。さらに守備の要でもある源田壮亮が、左太ももの張りでスタメンを外れた。中村剛也も右足甲に不安があり、8月3日の試合では途中交代。けが人が続出しているのである。

ここまではなんとか5割前後を保ちながら、上位争いに顔を出してきた。秋山翔吾、山川穂高、森友哉といった主力だけでなく、代役の若手がどれだけ踏ん張れるかで、順位が大きく変わりそうだ。

楽天ルーキーの弓削がプロ初勝利初完封

楽天は7月30日の日本ハム戦でルーキーの弓削隼人が先発。193センチの長身左腕はプロ2試合目の登板だったが、日本ハム打線を2安打に封じ込めプロ初勝利を完封で飾った。これが今シーズン、チーム初完封となり先発ローテーション入りへ絶好のアピールとなった。

その2日後、今度は日本ハムのお株を奪う「ショートスターター」的な起用を見せた。先発の釜田佳直が3回1失点で試合をつくると、2番手の辛島航が3回無失点。そこからはハーマン、森原康平、松井裕樹が無失点で切り抜けた。上位・日本ハム相手に投手陣のやりくりで2勝1敗と勝ち越したのは大きい。

ここからの夏場は、今まで以上に投手のやりくりが大事になってくる。そのなかでオプションが増えたことは、平石洋介監督にとっても大きいはずだ。

首位を走るソフトバンクは千賀滉大の完封勝利などで、日本ハムとの首位攻防戦を勝ち越し。一時、0.5ゲーム差まで詰め寄られていたものの再び突き放した。ここから柳田悠岐や福田秀平といった故障者やグラシアル、モイネロと代表戦で一時チームを離れていた選手たちが、続々と戻ってくる。混戦模様だったパ・リーグから一気に抜け出す可能性もある。

日本ハムはソフトバンクとの首位攻防戦で負け越し、首位奪取とはならなかった。そんな中、右肩の故障で離脱していた王柏融が7月31日から二軍戦で復帰した。復帰2戦目で本塁打も記録しており、打つ方に関しては問題がなさそうだ。しかし、まだ守備面では不安があり、どのようなタイミングで一軍復帰するかに注目が集まる。

ロッテは3位まで2ゲーム差とじわじわと差を縮めている。7月末に加わったマーティンは打率.308(39打数12安打)、3本塁打、11打点と結果を残している。この週は6試合中4試合で安打を放ち、その全てがマルチ安打以上。猛打賞も2度記録しており固め打ち傾向がある。チームが3位へ浮上するためのキーマンとなりそうだ。

オリックスは山本由伸が9回途中1失点で今季6勝目をマークした。まさにエースの働きを見せている。ここ2試合ともに8回まで無失点ながら、9回に失点。あと一歩のところで完封勝利を逃している。次の試合では3度目の正直となるか。

※数字は2019年8月4日終了時点