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阪神・ソラーテは途中加入助っ人最高の「当たり」か?

2019 8/2 06:00勝田聡
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名刺代わりの特大弾に通算8000号、サヨナラ2ラン

阪神に途中加入した新外国人のヤンハービス・ソラーテが躍動している。初出場となった7月26日の巨人戦で東京ドームの2階席へ飛び込む特大の初本塁打を放つ鮮烈なデビューを果たした。

さらに2カード目となった7月30日の中日戦では5打数4安打と大暴れ。来日初となる1試合2本塁打、しかも1本目は球団通算8000号のメモリアルアーチ、2本目は劇的なサヨナラ2ランという大活躍だった。守備面でも左翼、二塁、遊撃とこなしており、使い勝手もいい。上位争いへ食い込むための救世主となってもおかしくはなさそうだ。

阪神はシーズンが始まってから、外国人を補強するケースが毎年恒例となっている。2010年以降でソラーテが8人目。10年間で8人を補強しているのである。そのうち野手は4人となる。

そんなシーズン途中に加入した歴代の外国人野手たちは、どのような成績を残しているのだろうか。ここで振り返ってみたい。

【阪神の途中加入外国人選手】
2019年:ヤンハービス・ソラーテ(内野手)
2018年:エフレン・ナバーロ(内野手)
2017年:ジェイソン・ロジャース(内野手)
2016年:コーディ・サターホワイト(投手)
2015年:ネルソン・ペレス(外野手)
2014年:なし
2013年:ブレイン・ボイヤー(投手)
2012年:ロバート・ザラテ(投手)
2011年:なし
2010年:ジェイソン・スタンリッジ(投手)

2010年以降、途中加入の野手は4人目

2010年以降に途中加入した新外国人野手はソラーテで4人目となる。

2018年にやってきたのは左打ちのエフレン・ナバーロである。MLBでは157試合の出場で打率.241、3本塁打。長距離砲ではなく、アベレージヒッターとして加入した。チームを一変させるような存在とはならず、66試合に出場し打率.276(203打数56安打)、3本塁打、25打点と可もなく不可もない成績を残している。

2017年にやってきたジェイソン・ロジャースは40試合で打率.252(123打数31安打)、5本塁打、23打点の成績を残した。しかし、主軸としての働きをしたとは言い難く、クライマックスシリーズを前に帰国している。帰国の理由のひとつとして、同じ一塁を守るドラフト1位の大山悠輔の存在があった。当時、阪神を率いていた金本知憲監督は大山を起用する方針をとったため、ロジャースの出場機会が奪われてしまったのだ。結果として、ちぐはぐな補強に終わってしまったのは否めない。

2015年にBCリーグの石川ミリオンスターズから獲得したネルソン・ペレスは、外国人枠の関係もありファームでの起用がメインとなった。そのなかでも48試合に出場し、打率.315(181打数57安打)、14本塁打、35打点と結果を残し猛アピール。しかし、前述のとおり外国人枠の兼ね合いもあり、一軍昇格の機会はなかなか訪れない。結局、一軍では3試合の出場に留まり、安打を放つこともできなかった。翌年も残留したが、一軍出場の機会は与えられなかった。

このように近年阪神に途中加入した外国人選手で、そのシーズンに大きな活躍した例は皆無。ナバーロ、ロジャースともに極端に悪い成績ではないが、「助っ人外国人選手」として見ると物足りなさを感じてしまう。嫌なジンクスを「セクシータイム」と呼ばれる陽気なソラーテが覆すことに期待したい。