“超”がつくほどの積極性が魅力
現在リーグ4位につける楽天。とはいえ、首位のソフトバンクとのゲーム差はわずか4.5で、2013年以来6年ぶりのリーグ優勝の可能性も十分。この夏場をいかに乗り切るかがポイントだ。浅村栄斗やブラッシュなど今季からの新戦力ががっちりと主軸を担っていることも大きいが、最も大きな鍵を握っていると言っても過言ではないのが、不動の切り込み隊長・茂木栄五郎の存在だ。
開幕当初は2番遊撃だったが、昨季ブレイクした田中和基の不振を受け4月上旬から1番に入ると、以降は打線の火付け役として機能している。打率はリーグ6位の.305、安打数はリーグ2位の116本(トップの西武・秋山翔吾が117本)、出塁率はリーグ6位の.385とチャンスメイカーとしての役割を十分に果たすほか、得点圏打率はリーグ4位の.347とポイントゲッターとしても機能。プロ入り当初から変わらない思い切りの良さも、切り込み隊長と呼ぶに相応しいイメージの形成に一役買っている。
7月19日のソフトバンク戦では序盤から投手戦の様相を呈していた。だが、中盤に茂木が先制のソロ本塁打を放って均衡を破ると、この一打をきっかけに打線がつながり一挙に4点を奪い、快投を見せていた美馬学を援護した。20日のソフトバンク戦の終盤には、遊撃正面へ放った打球がイレギュラーして相手のミスを誘うと、積極果敢な走塁で一気に二塁を陥れ決勝点の起点となり、平石洋介監督に「栄五郎の走塁が大きかった」と言わしめた。
2017年には、初回先頭打者初球本塁打3本というパ・リーグのシーズンタイ記録を達成。1番遊撃で出場した同年のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦では、第1打席でCS史上3人目となる初球先頭打者本塁打もマーク。さらには、ソフトバンクとのファイナルステージ第1戦でも先頭打者本塁打を放っている。大事な試合、膠着した状況を走攻で打開する、“超”がつくほどの積極性が茂木の大きな魅力だ。















