ソフトバンク岩嵜翔はファームで好投
7月も終盤に入り、プロ野球も勝負どころとなっている。各球団は7月31日のトレードデッドラインへ向け、新外国人選手の獲得やトレード、そして育成選手の支配下登録と様々な手法で最後の戦力アップを図っている。
その手法は複数あるが、70人という支配下登録枠や補強の期限があるため、簡単には進まない。ところが、そういったものに影響されない戦力アップの方法がある。それは、故障などで戦列を離れていた選手の一軍復帰だ。事実、いくつかの球団で復帰間近とされる選手がいる。
パ・リーグ首位を走るソフトバンクには、頼もしい選手が帰ってくる。2017年シーズン、72試合に登板し40ホールドを記録。最優秀中継ぎのタイトルを獲得した岩嵜翔だ。
昨シーズンは、右ひじの手術もあり一軍登板は2試合のみだった。しかし、今シーズンはここまでファームで5試合に登板、防御率0.00と順調な回復ぶりを見せている。一軍復帰後の起用法は明確になっていないものの、比較的プレッシャーが少ない場面での登板で様子を見ながら、セットアッパーに復帰させるということが濃厚だ。
現在チームは首位を走っているが、オールスターブレイクを挟んで6連敗など、順風満帆というわけではない。ここから投手陣の疲労がたまりやすくなる夏場を迎えるにあたり、岩嵜の復帰はこの上なく大きいはず。
広島は今村猛、野村祐輔に続いて中村恭平も復帰間近
昨シーズンのセ・リーグ覇者である広島は、7月に入り中継ぎの今村猛、先発の野村祐輔と二人が戦列に復帰。今村は8試合連続無失点を記録しており、いまだに防御率0.00。疲れが見え始めていた中継ぎ陣にとって、大きな助けとなっている。
復帰初登板となった7月25日の中日戦で、6回3失点(自責1)の好投を見せた野村。先発ローテーション復帰へ向け、手応えは十分。試合をつくることのできる先発投手の存在は、チームにとって重要であることは言うまでもない。
そして前半戦を支えた中継ぎ左腕の中村恭平は、7月2日の試合中に異常を訴え緊急降板。翌日には登録を抹消。幸いにも重症ではなく、7月20日にファームで実戦復帰を果たしている。ここまで2試合の登板で2回を投げ、パーフェクトピッチング。7月24日の試合では3者連続三振を記録し、復帰へ向けたインパクトのあるデモンストレーションを見せてくれた。
中村も7月26日に再登録されたので、中継ぎ陣はより充実する。ブルペンのやりくりに苦労する夏場に強力な援軍となるはずだ。
中日は小笠原慎之介に期待
昨年、左肘の手術を行った中日の小笠原慎之介が一軍復帰へ向け、ファームでアピール。6月23日に今シーズン初登板を果たすと、1回を無失点。その後、2試合に4イニングずつ投げ、失点は2とまずまずの内容を見せている。
ところが現在の中日一軍では、高卒2年目の山本拓実、清水達也や3年目の藤嶋健人といった若い投手が起用されている。当然、昨シーズンの開幕投手を務めた高卒4年目の小笠原の方が、彼らよりも実績は上だ。しかし、現時点では最長4イニングしか投げておらず、もう少し長いイニングをこなしてからの一軍復帰と思われる。
チームが上位へ食い込むためにも小笠原の力は欠かせない。先輩の意地にかけて一軍で結果を残したいところだ。復帰を控えた実力者が、欠けていた「最後のピース」になるかもしれない。
※数字は2019年7月25日終了時点