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デッドライン間際のトレードはシーズンの戦力アップにならない?

2019 7/25 15:00勝田聡
年度別駆け込みトレードⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

7月に入り5件のトレードが成立

7月も下旬に差し掛かり、各球団は優勝争い、順位争いへ向け最後の補強を行っている。

7月に入ってからの各球団の動きを見ると、阪神がソラーテ、ロッテがマーティンと外国人選手を獲得。巨人、DeNA、広島はそれぞれ1名の育成選手を支配下登録している。また、トレードは5件成立しており、ここまでは例年に比べると移籍が活発に行われてきているようだ。

様々な動きがある中でデッドラインとなる7月31日まで残り1週間ほどに迫ったが、さらなる駆け込みのトレードは行われるのだろうか。ここでは、過去10年の7月25日から7月31日の間に成立したトレードについて、移籍後の成績含め、振り返ってみたい。

2017楽天が見せた早業

昨シーズンは7月25日以降に3件のトレードが成立した。まず、美間優槻(広島→ソフトバンク)と曽根海成(ソフトバンク→広島)のトレードが7月25日に成立。27日には松田遼馬(阪神→ソフトバンク)と飯田優也(ソフトバンク→阪神)、藤岡貴裕(ロッテ→日本ハム)と岡大海(日本ハム→ロッテ)の2件のトレードが成立している。

それぞれ移籍後の成績を見ると、岡が51試合に出場したものの、その他の選手は一軍で結果を残すことができていない。当該シーズンにおける戦力の補強という面では、うまくいかなかったのである。

2017年は屋宜照悟(日本ハム→ヤクルト)と杉浦稔大(ヤクルト→日本ハム)のトレードが成立し、その後2件の金銭トレードも成立。その金銭トレードによって、クルーズが巨人から楽天へ、谷元圭介が日本ハムから中日へと移籍している。

この年、クルーズを獲得した楽天の動きは素早かった。主軸として活躍していたペゲーロが7月23日の試合で負傷退場。その穴埋めとして7月26日にクルーズを巨人から獲得したのである。結果的にクルーズはこの年、一軍で結果を残すことはできなかったものの、楽天フロントの素早い対応に驚いたファンは多かった。

朝井秀樹は移籍後に先発ローテーション入り

2014年には三ツ俣大樹(オリックス→中日)、岩崎恭平(中日→オリックス)のトレードが行われた。両選手ともに移籍先で出場機会をつかんだものの、戦力になったとは言い難い成績に終わっている。

2013年に成立した甲藤啓介(ソフトバンク→オリックス)と吉野誠(オリックス→ソフトバンク)のトレードは、両選手ともに一軍での出場がなくシーズンを終えている。

2010年以降で唯一、当該年度から移籍先で結果を残したのが2010年の朝井秀樹(楽天→巨人)である。栂野雅史(巨人→楽天)とのトレードで巨人入りを果たした朝井は先発ローテーション入りを果たし、4勝1敗、防御率2.01と結果を残している。

年度別駆け込みトレード

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ここ10年の駆け込みトレードを紐解くと、ほとんどの選手が当該年度に結果を残すことができていない。もちろん、トレードで獲得した全選手が即戦力というわけではなく、将来の戦力として若手を獲得することもある。しかし多くの選手が、トレードした年度に活躍できていないのは少し残念だ。

ここまではトレードが活発な今シーズンも同じような傾向を示すのだろうか。それとも、移籍先でバリバリ働く選手が誕生するのだろうか。7月31日のトレードデッドライン、そしてその後の成績にも注目していきたい。

※数字は2019年7月24日終了時点