「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

阪神・藤川球児 全盛期を彷彿とさせる安定感でタイトルも射程圏内

2019 7/7 11:00浜田哲男
阪神タイガースの藤川球児ⒸYoshihiro KOIKE
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸYoshihiro KOIKE

NPB復帰以来、最高の状態

今季、阪神の藤川球児が抜群の安定感を見せている。セットアッパーとして29試合に登板し、4勝17ホールド(21ホールドポイント)、防御率1.21。現在、24ホールドポイントでリーグトップの中日のロドリゲスとはわずか3ホールドポイント差。2006年以来の最優秀中継ぎ投手のタイトルも射程圏内だ。

昨季は11.10だった奪三振率も、今季は2011年にマークした自己最高の14.12に迫る13.65。さらに被打率は.135と、これまでのところはセットアッパーとして申し分のない成績を残している。また、かつて見せていたほどの頻度ではないが、打者の手元で伸び上がると言われた往年の「火の玉ストレート」を彷彿とさせる直球も時折見られる。

今季は今のところ、直球で最速151km(自己最速は156km)をマーク。2016年にNPBのマウンドに戻って以来、最もコンディションが良いのではないだろうか。

強力西武打線相手に圧巻の三振ショー

藤川といえば、直球で相手をねじ伏せる投球スタイルが魅力。本拠地甲子園で行われた6月21日の西武戦では、圧巻の三振ショーが見られた。阪神の1点リードで迎えた8回表にマウンドに上がると先頭打者の山川穂高を直球で追い込み、最後は146kmの高めの直球で空振り三振。5番の森友哉には四球を与えるも続く中村剛也は直球で追い込み、最後は鋭いフォークで空振りの三振に斬ってとった。

藤川は、22日の西武戦でも阪神が4点リードの8回表にマウンドへ。146kmの内角寄りの直球で先頭の斉藤彰吾を空振り三振に仕留め、外崎修汰からは4球続けての直球で空振り三振を奪う快投を見せた。3度バットを振るも、1度も当てることすらできなかった外崎。来ると分かっていても打てない伸び上がるような直球と、強力西武打線と真っ向勝負を挑む藤川の姿は、まさに全盛期そのものだった。

ちなみに今季、藤川の直球の被打率は.113で、ほとんどのバッターが直球をとらえきれていない。メジャー時代にトミー・ジョン手術をした直後は、球速も球威も落ちていた印象があった。だが、山川らから直球で三振を奪っていることからも、球威を取り戻したと思われる。

夢の球宴で名勝負が再び生まれるか

今季の好調ぶりを受け、藤川は監督推薦でオールスターに選出された。夢の球宴は実に7年ぶりの出場となる。かつては、カブレラ(当時西武)や小笠原道大(当時日本ハム)といったパ・リーグの強打者を相手に直球だけで勝負し、見事にねじ伏せてきた。現在、プロの第一線で活躍している選手の中には、そんな藤川の火の玉ストレートを子供の頃に見ていた世代も多い。斬るか斬られるか。藤川との全直球勝負に憧れ、心待ちにしている打者は多いのではないだろうか。

2017年には、通算投球回数771回2/3でNPB通算1000奪三振を達成している藤川。それまでの最速記録だった野茂英雄の投球回(871回)を大幅に上回るペースでの達成だった。年を重ねると球威が落ち、それを補うために投球スタイルを変える投手は多いが、藤川には最後まで直球で突っ走ってもらいたい。直球で三振を奪う藤川の勇姿が楽しみだ。

おすすめの記事