支配下登録期限まで1ヶ月を切る
7月に入り、プロ野球ペナントレースも前半戦終了まで残すところあとわずかとなった。同時に7月31日に訪れる支配下登録期限まで、1ヶ月を切ったことになる。
とくに育成契約の選手にとっては、今シーズン中に支配下登録されるためのリミットにもなり勝負の1ヶ月である。すでに開幕してから張奕(オリックス)、加藤脩平(巨人)、オスカー・コラス(ソフトバンク)、齊藤誠人(西武)と4人が支配下登録を勝ち取っているが、彼らに追随する選手は現れるだろうか。
ここで、主な育成選手たちの成績を振り返ってみたい。
山下航汰が打率3割を超える活躍
野手では山下航汰(巨人)の成績が群を抜いている。規定打席には届いていないものの、52試合で打率.310、3本塁打、17打点と上々の成績。高卒1年目ながらファームの主軸としてチームを引っ張っている存在だ。ライバルでもあった加藤脩平が先に支配下登録を勝ち取ったが、山下にもまだまだチャンスはあるだろう。

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日本ハムは昨年のドラフトで初めて育成選手を指名した。その第1号選手でもある海老原一佳は打率.224と確実性には欠けているが、7本塁打、25打点と長打力は魅力的。左の大砲候補として支配下登録となるか。
外国人選手ではフアン・サンタナ(広島)も面白い存在だ。ドミニカ出身のサンタナはカープアカデミー出身の24歳。今年3月に来日し育成契約を締結した。ここまで打率.264、2本塁打、18打点と成績もまずまず。バティスタと同じようにカープアカデミー、育成契約からの出世となるか。
その他では、昨シーズンまではソフトバンクで支配下登録されていたロッテの茶谷健太も結果を出している。元支配下選手の意地を見せたいところだ。
中川虎大が7勝、防御率2.22と好結果
投手に目を移すと、中川虎大(DeNA)が7勝3敗と好成績。65回を投げ65奪三振、防御率2.22と内容も悪くない。先発投手として期待できそうな成績を残している。
石井将希(阪神)も中継ぎとして好結果を残している。奪三振と与四球が同数なのは課題として残るが、26試合を投げ防御率1点台は魅力的。中継ぎ陣が豊富な阪神ではあるが、はたしてどうか。

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そして今シーズンから楽天へと移籍した由規である。ここまで3試合の登板だが7回を投げ、防御率0.00とさすがの成績を残している。石井一久GMもかねてから「後半戦で戦力となってくれれば」とコメントしていた。残り1ヶ月を切り、実戦の場は少なくなってきているが、最後の最後に支配下登録へ滑り込むことができるだろうか。
広島はモンティージャにメナとふたりの外国人選手がともに結果を残している。ただ、外国人枠の関係もあり、支配下登録を行ったとしても一軍での登板はむずかしい。今シーズンは育成契約で終えることになりそうだ。
こう見ると全体的に育成契約の投手ということもあり、全体的に与四球の多さが目立つ。二軍では制球のバラつきがあっても、抑えることはできるが一軍ではそうはいかない。防御率、奪三振だけでなく、与四球を減らすことが支配下登録への近道と言えるだろう。
このように好結果を残している育成選手は野手・投手とも一定数は存在する。しかし、球団としては今シーズン中の一軍昇格が見込めないのであれば、あえて支配下登録をしない選択肢もある。オフにFA選手を獲得する際のプロテクトリストに影響してくるからだ。
各球団はオフの補強をにらみ、どのような戦略をとるのだろうか。その動向から目が離せない。
※数字は2019年7月2日終了時点