中山翔太が初打席・初安打・初打点と満点デビュー
セ・リーグワーストタイとなる16連敗を喫し、最下位で交流戦に突入したヤクルト。昨シーズンの交流戦では、最高勝率をマークしリーグ戦への弾みをつけることに成功したが、今シーズンはどのような展開になるだろうか。
そんな中、2018年ドラフト2位の中山翔太が一軍デビューを飾った。6月9日のオリックス戦で一軍初昇格し、8回1死二、三塁の場面で代打がコールされると、場内からは大歓声。その期待に応えるかのように、左翼へ適時打を放ち2打点をマーク。初打席・初安打・初打点と、最高のデビューを飾った。
中山は東京六大学野球の法政大学出身だ。山本浩二(元・広島)、田淵幸一(元・阪神)、江川卓(元・巨人)など、多くの名選手を生んだ名門校でもある。ここでは、2019年現在活躍している法大OBのプロ野球選手たちを見ていきたい。
投手の3人はDeNAに所属
現在NPBで活躍する法政大学出身の投手は、三上朋也、三嶋一輝、石田健大の3人。偶然にも、全員がDeNAに所属している。
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3人の中で最年長の三上は5月に右肘のクリーニング手術を受けており、早期復帰は難しい状況。
中継ぎとしての起用が続く三嶋は、27試合で防御率3.94。昨シーズンは60試合に登板、防御率3.97の成績を残しており、同じような投球を続けている。奪三振率が10.85から7.58へ下がっていることは気になるが、ラミレス監督から信頼されている投手のひとりでもある。
石田はこれまでのキャリアでは先発起用が多かったが、今シーズンは全て中継ぎでの出番となっている。先発を務めていただけあって、スタミナは豊富で1イニングを超えて登板することもしばしばある。12試合中、失点を喫したのが2試合のみ。左のリリーフとして重宝されている。
若林晃弘がブレイク候補に
野手では、中山以外にも大引啓次と西浦直亨という2人の法政大学OBが在籍しているヤクルト。
今シーズン中に35歳の誕生日を迎える大引は、ここまで42試合に出場。守備固めや代打としての途中出場も多いが、スタメンでも11試合で起用されている。当初は村上宗隆が三塁に起用されていたが、現在は内野陣の故障離脱により一塁を守ることが多い。その空いた三塁で、大引が先発での出場機会を得ている。
年間を通したフル出場はむずかしくとも、守備面での安定感に加えベテランらしい状況判断もできるため、まだまだ必要な戦力と思われる。
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一方、昨シーズンは自身初の規定打席に到達し、今シーズンはさらなるブレイクが期待された西浦だが、現在は故障離脱中。遊撃ポジションには、奥村展征や廣岡大志、故障離脱中の太田賢吾などが揃っているため、復帰後は熾烈な争いが繰り広げられると予想される。
また、巨人の若林晃弘も法政大学出身だ。同大卒業後はJX-ENEOSへ進み、2017年ドラフト6位指名で巨人へ入団。ルーキーイヤーとなった昨シーズンは、17試合で打率.056と奮わなかった。しかし今シーズンは、8試合と出場機会は少ないながらも2本塁打を記録。交流戦ではスタメン起用も増え、レギュラー争いにも名乗りをあげている。
開幕一軍をつかんだ中日の木下拓哉は、故障もあり4月15日には登録を抹消された。それ以降は二軍出場もないため、復帰が待ち遠しい。
投手・野手ともに、一軍の舞台で活躍している法政大学出身選手たち。中山や若林といった若手たちも先輩たちに続くことができるだろうか。
※2019年6月12日終了時点