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巨人がセ唯一の勝ち越し 19歳の打点王誕生なるか?ヤクルト村上が48打点でトップ

2019 6/10 11:34勝田聡
巨人・菅野智之ⒸSPAIA
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巨人が4勝2敗とリーグ唯一の勝ち越し

6月4日からセ・パ交流戦が始まった。セ・リーグ6球団の数字を見ると巨人が4勝2敗で一歩リード。阪神とDeNAが3勝3敗の五分。1試合を雨で流したヤクルトが2勝3敗、以下、広島が2勝4敗、中日が1勝5敗で続いている。

このように交流戦では巨人が好スタートを切った。リーグ内では広島の首位は変わらないが、2位の巨人とは2.5ゲーム差となっており、まだまだ独走態勢に入ったわけではない。巨人を0.5ゲーム差で追っている阪神を含め、上位争いはここから激しくなっていきそうだ。

セ・リーグ順位表

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一方で、3位の阪神と4位のDeNAは5.5ゲームの差がついており、最下位のヤクルトまではさらに2.5ゲーム離れている。現在Bクラスのチームはこれ以上離されると、クライマックスシリーズ進出すら苦しくなってくるため、ここが踏ん張りどころと言えそうだ。

昨シーズンのヤクルトのように、交流戦で巻き返しを図るチームは生まれるか。

巨人は菅野智之とマシソンが復帰

4勝2敗と好調だった巨人に頼もしい2人が帰ってきた。スコット・マシソンと菅野智之である。

マシソンは昨シーズン中に左膝の手術を行い、終盤戦を欠場。今シーズン開幕からの復帰を目指していた。しかし、オフの間にウィルス性の感染症にかかり、春季キャンプも不参加。3月に入ってからの来日となった。そこから、ファームで調整を重ね、一軍に復帰したのが交流戦開幕日となる6月4日だった。

ここまで、2試合に登板し無失点、2ホールドをマークしており、ブルペンに厚みが出てきた。巨人の中継ぎ陣は中川皓太をのぞいて結果が出ておらず、台所事情が苦しかっただけに、マシソンの復帰でやりくりは非常に楽になるはずだ。

開幕当初から調子が上がらず、腰の違和感で登録を抹消されていた菅野が、6月9日のロッテ戦で先発として復帰した。

初回に2死満塁のピンチを招くも菅野剛士から三振を奪い、ピンチを切り抜ける。5回に2点を失ったものの、6回を98球2失点をでまとめ6勝目をマークした。本来の菅野からすると物足りなく見えるかもしれないが、復帰初戦でこれだけの投球ができれば問題はなさそうだ。次回も中6日で先発する予定となっている。

野手では若林晃弘がプロ初本塁打含め、2本塁打を記録。レギュラー不在のセカンド争いに名乗りを挙げている。また6月9日に育成契約の加藤脩平が支配下登録された。フレッシュな力も加わることで、より一層、戦力に厚みが出てきそうだ。

ヤクルト村上宗隆が48打点でセ界トップ

セ・リーグワーストタイとなる16連敗を記録したヤクルトは、この週2勝3敗だった。そのなかで注目したいのはやはり村上宗隆だろう。

6月4日の日本ハム戦から5試合連続安打を記録。また6月9日のオリックス戦では特大の16号本塁打を放った。これで打点は48となり、セ・リーグ単独トップで2位の鈴木誠也(広島)に3差をつけている。19歳での打点王となれば、1953年に20歳で獲得した西鉄・中西太の最年少記録を塗り替えるだけに、村上の打棒に今後も要注目だ。

セ・リーグ首位の広島は3連敗があり、2勝4敗と少しつまずいた。そのなかでクローザーを中崎翔太からフランスアへとスイッチ。中崎はここまでの3連覇を支えてきた投手のひとりではあるが、今シーズンは苦しんでいる。

阪神は大腸がんからの復活を果たした、原口文仁が9日の日本ハム戦で代打サヨナラヒットを放つなど、さっそく大活躍。チームに勢いのつく勝利であり、このまま一気に首位浮上といきたいところだ。

DeNAは3勝3敗の五分でこの週を乗り越えた。そんななか、昨シーズンの新人王である東克樹が登板翌日に登録を抹消されている。マメができたことが原因だが、状態が心配される。

中日は交流戦開幕から3連敗を喫する苦しいスタートとなった。1勝を挟み再び連敗と、上位浮上の糸口がつかめていない。好調な高橋周平を軸に上位浮上を目指したいところ。与田剛新監督にとって正念場となりそうだ。

※数字は2019年6月9日終了時点