石川雅規が通算165勝目
6月5日に行われた日本ハム対ヤクルトの一戦。石川雅規(ヤクルト)が8回無失点の好投で、今シーズン2勝目(3敗)をマークした。これが石川にとって通算165勝目となり、現在NPBでは現役トップの数字だ。
日米通算で計算すると松坂大輔(中日)と岩隈久志(巨人)がともに170勝で1位、名球会入りの条件である日米通算200勝までは残り30勝。石川は3位で、残り35勝だ。既にベテランの各選手、どこまで数字を積み重ねることができるのだろう。
現時点でこの200勝という大台に届きそうな現役投手はどれくらいいるのだろうか。近年の成績とともに見ていきたい。
現役最多は松坂大輔と岩隈久志の170勝

ⒸSPAIA
岩隈と松坂の170勝に続くのは、166勝の田中将大(ヤンキース)だ。
今シーズンの田中は6月5日時点で防御率3.42ながら3勝(5敗)と勝ち星が伸びていない。しかし、MLBに移籍した2014年以降、昨シーズンまで5年連続で2ケタ勝利を達成しており、実績は十分。また、年齢も1988年11月生まれの30歳とまだ若い。このことを考えても、大きな故障がなければ200勝に最も近い日本人選手だといえ、2年後の2021年には到達可能かもしれない。
田中の後に続くのが、石川とダルビッシュ有(カブス)。ダルビッシュは現在152勝で200勝まで残り48勝。年齢も32歳なので十分に射程圏内と言っていい。しかし、今シ−ズンはまだ2勝(3敗)。昨シーズンも故障があり1勝にとどまっている。今後も故障との戦いになりそうだ。
ダルビッシュの後ろは、今シーズン既に7勝を挙げており、現在141勝の前田健太(ドジャース)だ。MLB移籍を果たした2016年以降毎年8勝以上を挙げており、田中と同じく1988年生まれとまだ若い。
心配なのは起用法。日本では先発での起用が主だったが、MLBでは中継ぎでの起用も増えた。今シーズンは開幕ローテーションに入り、結果を残しているものの、チームの方針次第では昨シーズンのように中継ぎへ配置転換される可能性もある。そうなれば自ずと勝ち投手の権利を得るのは難しくなるため、数字は伸びにくくなる。チーム方針との兼ね合いが鍵となりそうだ。
前田の後に内海哲也(西武)、涌井秀章(ロッテ)が133勝で並んでいる。
20勝投手は2001年以降で4人だけ
勝負どころや外国人選手を除き、近年のプロ野球は中6日でローテーションを回すのが一般的。その場合、年間での先発数は26試合前後となる。そのため、登板間隔が短かった昭和のように20勝投手は生まれにくい。
2013年には、当時楽天だった田中が24勝(0敗)というとてつもない記録を打ち立てた。その他、2001年以降で20勝が記録されたのは、2003年の井川慶(阪神)と斉藤和巳(ダイエー)、2008年の岩隈久志(楽天)だけだ。
仮にメジャーリーグに移籍したとすれば、年間の試合数が20試合ほど増え、ローテーションも中4日となる。故障なくシーズンを全うすれば、30試合以上、先発の機会が訪れることになる。登板機会が増えれば、日本でのプレーより200勝に到達する可能性は高くなる。もちろん、MLBという高いレベルで成績を残し続ける実力が必要なのは言うまでもないのだが……。
松坂や岩隈、そして石川がベテランの意地を見せるのか、田中がMLBの舞台で順調に勝ち星を積み上げていくのか。達成困難になりつつある200勝への道。次に到達する投手は誰だろう。
※数字は2019年6月9日終了時点