上原浩治が現役を引退
5月20日、巨人の上原浩治が現役を引退した。1999年に巨人にプロ入りし、その後は海を渡り、オリオールズ、レンジャーズ、レッドソックス、カブスを渡り歩いた。そして、最後は再び巨人に戻ってきた男がユニフォームを脱いだ。
先発、中継ぎ、抑えと各ポジションで確固たる実績を残し、日本人では唯一、MLBを含めても上原を除き1人しかいない「100勝、100セーブ、100ホールド」は大きな勲章だ。現時点では名球会入りの対象にはなっていないが、議題にはあがっているほどだ。
どんな一流選手にも年齢と共に身体が衰え、引き際が訪れる。
現在44歳、プロ野球界では既に大ベテランの域に達している上原も「身体は投げられる状態だった。しかし、二軍戦で通用しなかった」と、会見で涙ながらに語っていた。自身の衰えを感じたため引退を決意したのだろう。
NPBでは、上原が現役を引退したことで残り4人となった40歳以上の選手。今年で40歳を迎える1979年生まれの選手を含めても7人。このベテラン選手たちは、どのようなシーズンを過ごしているのだろう。
五十嵐亮太は4月に5勝をマーク
投手では山井大介(中日)、能見篤史(阪神)、五十嵐亮太(ヤクルト)の3人が該当する。
上原の引退に伴い、球界最年長投手となった1978年生まれの山井。先発を任された今シーズン開幕2戦目の試合で初白星を挙げる順調な滑り出しだった。以降は打ち込まれるケースも多くローテーションにも定着していない。だが、年齢を考えれば5試合で2勝2敗は大健闘と言える。現在は二軍調整中となっているものの、先発投手陣に離脱者が多いため、再び出番がありそうだ。
偶然にも同じ誕生日、1979年5月28日生まれの五十嵐と能見は、ともに中継ぎとしてチームに欠かせない存在。特に五十嵐は4月に中継ぎながら月間5勝をマークし、月間MVP候補にもノミネートされたほどだ。ヤクルトに戻ってからは、メジャーリーグとソフトバンクで積んだ経験を活かし、戦力としてはもちろん投手陣に大きな影響を与えた。
山井大介(中日/1978年5月10日生)
5試合/2勝2敗/24.2回/奪三振20/与四球10/防御率5.11
五十嵐亮太(ヤクルト/1979年5月28日生)
20試合/5勝0敗1H/20回/奪三振17/与四球9/防御率2.25
能見篤史(阪神/1979年5月28日生)
17試合/0勝0敗8H/13.1回/奪三振12/与四球11/防御率4.73
福留孝介は主力として活躍
野手陣では福浦和也(ロッテ)、福留孝介(阪神)、阿部慎之助(巨人)、石原慶幸(広島)の4人が40代となる。
福浦は今シーズン限りでの現役引退を表明している。5月3日の試合では上原と対戦し、凡退後にタッチを交わしたことが話題になった。ここまでは一軍昇格もなく、二軍で汗を流している状況だ。
他3人は、まだまだ戦力として一軍で活躍している。
なかでも福留は阪神の主軸を務め、打率.256(156打数40安打)、4本塁打と打力は健在だ。大山悠輔や近本光司といった若い主力選手を後ろからしっかりと支えている。
阿部は代打の切り札として打率3割をキープしており、勝負強さは衰えていない。試合出場数が11の石原は、ジョンソンの専属捕手としてチームに欠かせない存在だ。ここまでジョンソンが登板した8試合中7試合でスタメンマスクをかぶっており、その信頼は厚い。
このように投手、野手ともに40歳を超える大ベテランたちはまだまだ戦力としてチームに貢献している。これからも、ベテラン選手たちの活躍から目が離せない。
福浦和也(ロッテ/1975年12月14日生)
※一軍出場なし
福留孝介(阪神/1977年4月26日生)
44試合/打率.256(156打数40安打)/4本塁打/22打点
阿部慎之助(巨人/1979年3月20日生)
21試合/打率.316(19打数6安打)/0本塁打/4打点
石原慶幸(広島/1979年9月7日生)
11試合/打率.111(18打数2安打)/0本塁打/2打点
※数字は2019年5月23日終了時点