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守備職人・今宮が打撃でも覚醒 夏場のジンクスを覆せるか

2019 5/18 11:00山浦和樹
BASEBALLⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

昨年のけが明けから始まっていた今宮の好調

今シーズンの好調ばかりに目が行きがちだが、実際のところバッティングは昨年後半から好調だった。打率.212だった昨年の6月から、復帰した7月は打率.371、8月には.296、9月と10月には.356と、なかなかの結果を残せている。

その後も9月中盤に再びケガで離脱したものの打撃は好調のままシーズンを終え、今シーズンは5月16日時点で打率.325で首位。離脱者続出のソフトバンク打線をけん引している。

主軸選手が離脱していく中で取り戻した打撃スタイル

今シーズン、今宮の打撃で注目したいのはレフトとセンター方向への成績だ。

今宮健太の打球方向成績ⒸSPAIA

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打球方向はライトに比べてレフトやセンター方向の方が多いが、割合自体は昨年と比べても大きな違いは見られない。しかし、レフトとセンター方向の打率には大幅に上昇。これにはチーム事情が絡んでいると思われる。

2018年、選手のケガが続いたソフトバンクは、主砲の柳田や主軸の内川といったチームの柱が次々と離脱。それは、優勝を逃す要因にもなった。

今年に入っても主力陣のケガは続いており、今宮には得点も期待されている。

もともと引っ張るタイプのバッターだった今宮は、打球方向もライトよりレフトが多い。チーム事情から「つなぐ」より「打つ」という意識を持つようになったことで、ボールを強く引っ張れるようになったのではないだろうか。

首位打者獲得には夏場の打率維持

現在の打撃が持続できれば間違いなく「打てるショート」になれる今宮だが、好不調の波が激しいという課題もある。

今宮健太の年度別月間打率ⒸSPAIA

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開幕から5月にかけて低迷していても、夏場に突如、何かに目覚めたかのように安打を量産するのだが、その勢いが続かない。

ここ2年は暑い盛りに打率を1割近く上げることができているのに、それ以外の時期では充分に発揮できない。夏場に打てるのだからスタミナがないという訳でもないだろう。

今年の今宮は開幕から夏場の打撃を維持している。このまま最後まで走り抜けられのか。それができれば、自身初の首位打者獲得も夢ではない。