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オリックスはなぜ勝てないのか?長年低迷している理由とは

2019 5/17 15:00浜田哲男
野球ボールⒸSPAIA
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勢い持続せず、Bクラスの常連に

今季、開幕ダッシュに失敗したオリックス。先週まで(5月12日)に14勝20敗と6つの借金を抱え、リーグ最下位に低迷している。

毎年のように比較的前評判は高く、今季も投手では山岡泰輔や山本由伸、野手では吉田正尚など、近い将来侍ジャパンへの定着が期待されるような優れたプレーヤーが存在する。それでも、勝てない。気づけば、12球団で最もリーグ優勝から遠ざかっているチームとなってしまった(最後のリーグ優勝は1996年)。

2008年にはリーグ優勝した西武に2.5ゲーム差の2位。2014年にはリーグ優勝したソフトバンクに勝率わずか2厘差の2位と、優勝まで手の届く位置につけたこともあったが、翌年には急降下。2009年は最下位、2015年は5位となるなど、勢いが持続しない。そして、近年はBクラスの常連となってしまっている。オリックスは、なぜ勝てないのだろうか。

中長期ビジョンの欠落

前述したように、2014年にオリックスはあと一歩のところでリーグ優勝を逃した。すると同年オフ、アスレチックス傘下のマイナーでプレーしていた中島裕之、DeNAを退団したブランコ、広島からバリントン、日本ハムからFAで小谷野栄一らを獲得するなど30億円とも言われた大補強を行った。

しかし、クリーンナップとして期待されたこれらのプレーヤーは軒並み不振。さらには、中島が足の肉離れ、バリントンが右肩の違和感で登録抹消されるなどシーズン序盤に早々と離脱。期待に応える成績を残せなかった。優勝争いを演じた前年のメンバーに強打者を上積みし、今度こそはと優勝を狙いにいったものの空回り。チームに不足しているピースを埋める的確な補強ではない、やみくもに強打者を集めた補強がうまく機能するはずもなく、開幕から低迷することとなった。

また、オリックスといえばシーズン途中の監督交代が多い。2002年から指揮を執った石毛宏典監督は同年に最下位に終わると、2003年は開幕から7勝12敗1分けと低迷。わずか20試合を終了した時点で解任された。2007年から就任したコリンズ監督は同年に最下位となると、2008年も開幕から敗戦を重ね、5月21日の試合後に監督辞任が表明された。

結果が出なければ解任されるのは致し方のないことではあるが、これまでの補強の仕方や監督交代劇を見ていると中長期を見据えたビジョンを感じない。例えば、日本ハムは栗山英樹監督とビジョンを共有し、長期政権を継続。ドラフトでは素材型の高校生野手・投手を獲得した上で積極的に起用。育成をテーマとし、常に世代交代を意識したチーム作りを推進している。目先の結果を欲しがる傾向のあるオリックスとは真逆だ。

今季は若手を積極的に起用

今季、西村徳文監督は、若手を積極的に起用し経験を積ませている。快足で守備範囲も広い西浦颯大(19歳)をはじめ、身体能力が高く脚力のある佐野皓大(22歳)、期待のルーキー頓宮裕真(22歳)と中川圭太(23歳)らを積極的にスタメンで起用。5月に入ってからは国産打線で臨む試合も少しずつ増えてきた。

特に西浦はこれまで36試合に出場。打率.200と苦しんでいるが、5盗塁を記録。開幕以来、正中堅手としてスタメンに名を連ねており、首脳陣の期待の大きさがうかがえる。中川は15試合の出場だが、打率.364と打撃好調。5月10日の楽天戦ではプロ入り初本塁打も放った。頓宮は打撃不振で2軍調整中だが、2本塁打を放つなど長打力を垣間見せている。

その一方で、野手でいえば中島が巨人へ移籍し、小谷野が現役引退。投手陣では、金子千尋(現・金子弌大)が日本ハムへ、西勇輝が阪神へ移籍。投打ともに若返りを図り、ゼロベースで構築していくタイミングはまさに今だとも言える。

これまでの選手起用を見ていると、今季は野手を中心に若手の育成を主眼としているように思える。我慢の一年となりそうだが、逆に言えば2~3年後の成長した姿が楽しみだ。外国人助っ人に頼るのもいいが、中長期ビジョンで考えれば国産でも戦えるぐらいの打線が理想的であるし、吉田というポイントゲッターを中心に、福田周平や大城滉二、西浦、佐野らスピードのある選手が足でかき回す戦い方も面白い。

いずれにせよ、指揮官をはじめとした首脳陣、補強、ドラフト、育成、そして戦い方といった全ての要素が、中長期のビジョンに基づいたものであることが肝要だ。フロントと現場の全員が共有できるビジョンが無い限り、今後優れたプレーヤーが揃っていったとしてもチームがひとつになることはできないし、長い低迷から脱却することも困難となるだろう。

今季はもちろん、来季、そしてその先の戦いを見据えて、どのような戦いをオリックスが見せるのか注目していきたい。

※数字は2019年5月12日終了時点

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