苦戦が続いたバッティング
昨季まで球界のリードオフマンとして活躍した秋山翔吾が新たな役割の中で苦しみ、また一つ成長しようとしている。
2018年は打率.323、本塁打24本、195安打を記録し最多安打のタイトルを獲得。打撃だけでなくリーグ4位の出塁率.403で幾度も得点機を演出しチームの優勝に貢献した。今シーズンは楽天に移籍した浅村栄斗の穴を埋めるため、定位置だった1番を金子侑司に譲り3番を務めることに。昨年の成績から考えると十分役割を果たせるかに思えた。
しかし、GW前までの成績は打率.221、本塁打1本、19安打と不調に苦しだ。その内容は2つの数字にも表れている。
秋山の昨シーズンと今シーズンの打撃を打球方向別に比較するとライト方向とセンター・レフト方向で極端な違いが出ていることが分かる。
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ライト方向への打率は高くなっているが、センターからレフト方向へのヒットが大きく減ったことが打率の低下を招いているのだ。もう1つの数字は、コースごとの打率だ。
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ストライクゾーン内の高さ別に打率を比較すると、好調だった昨シーズンは高めを得意とし、他の位置でも3割超と苦手なコースがない選手であることがうかがえる。しかし、今シーズンは反対に低目に対して強くなっているものの、それ以外は2割前後と苦戦。
ストライクゾーンを9分割して打率を比較するとインローから真ん中低めにかけては4割近い打率を残しているのに対し、インハイから真ん中高めにかけては最も低くなっている。
全く引っ張ることができず、打てていたはずのコースは打ち損じる。そんな状況が開幕から続いていた。