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リードオフマン秋山翔吾、3番の資質も覚醒か 不調一転GWで爆発

2019 5/11 11:00SPAIA編集部
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苦戦が続いたバッティング

昨季まで球界のリードオフマンとして活躍した秋山翔吾が新たな役割の中で苦しみ、また一つ成長しようとしている。

2018年は打率.323、本塁打24本、195安打を記録し最多安打のタイトルを獲得。打撃だけでなくリーグ4位の出塁率.403で幾度も得点機を演出しチームの優勝に貢献した。今シーズンは楽天に移籍した浅村栄斗の穴を埋めるため、定位置だった1番を金子侑司に譲り3番を務めることに。昨年の成績から考えると十分役割を果たせるかに思えた。

しかし、GW前までの成績は打率.221、本塁打1本、19安打と不調に苦しだ。その内容は2つの数字にも表れている。 秋山の昨シーズンと今シーズンの打撃を打球方向別に比較するとライト方向とセンター・レフト方向で極端な違いが出ていることが分かる。

秋山翔吾の方向別の打撃成績ⒸSPAIA

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ライト方向への打率は高くなっているが、センターからレフト方向へのヒットが大きく減ったことが打率の低下を招いているのだ。もう1つの数字は、コースごとの打率だ。

秋山翔吾のコース別の成績ⒸSPAIA

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ストライクゾーン内の高さ別に打率を比較すると、好調だった昨シーズンは高めを得意とし、他の位置でも3割超と苦手なコースがない選手であることがうかがえる。しかし、今シーズンは反対に低目に対して強くなっているものの、それ以外は2割前後と苦戦。

ストライクゾーンを9分割して打率を比較するとインローから真ん中低めにかけては4割近い打率を残しているのに対し、インハイから真ん中高めにかけては最も低くなっている。

全く引っ張ることができず、打てていたはずのコースは打ち損じる。そんな状況が開幕から続いていた。

9試合で4本塁打6打点

そんな秋山だったが、GWに突入してから突如覚醒する。4月27日に猛打賞を記録すると、その後も勢いは止まらず5月2日には2本塁打3打点と大暴れ。

打球方向も極端に偏ることなく、高めもしっかりと捉えGW前とはまるで別人。成績は9試合で打率.457、本塁打4本、安打16本を記録。打点6で得点圏打率も5割と勝負強い打撃を取り戻した。

復調の兆しはあった。

打率.375、16打数6安打、1本塁打、3四球。

この数字は、秋山が今年2番打者として打席に入った試合で残した成績である。3番という新たな役割の中でもがいていたが、決してスランプに陥っていたわけではなかった。

さらに言えば、3番打者としての役割を意識し過ぎたのか打撃不振に悩まされたが、その間も出塁はきっちり果たし、後続につなげていた。パ・リーグ1位タイ24四球、出塁率.403という数字がはっきりとそれを表している。

ちなみに、ボールを見送る割合についても、昨年は約80%だったのに対し、現時点で82%超と選球眼の良さも変わっていない。 ここまでの32試合での成績は、打率.295、本塁打5本となり順調に数字を積み上げている。西武のリーグ連覇、日本一へ欠くことのできない男がついに目覚めた。

※成績は5月8日終了時点