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中日ドラゴンズは「リリーフ」「1・2番」の問題が解決 18年の課題から見る今季開幕

2019 5/9 11:45青木スラッガー
投球練習する鈴木博志ⒸSPAIA
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開幕から好調の中日 18年の課題はどうなった

開幕から1か月が経過し、徐々に各チームの戦力が鮮明になってきた。これまでの戦いぶりを振り返る上で、注目したい点が「2018年シーズンと比較して、今季のチームはどれだけ進化しているのか」だ。そのわかりやすい指針は、“弱点”とされていたポイントを克服できているかどうかだ。

2018年シーズンの課題に対し、今季はどのような動きがあったのだろう。開幕1か月の各チームを見ていきたい。今回は3年ぶりの貯金を記録するなど、開幕前は低かった下馬評を覆す善戦を見せている中日編。

昨季はリリーフ投手、1・2番打者に課題

昨季の中日は63勝78敗、勝率.447の5位で6年連続のBクラス。開幕直後から低迷し、浮上の兆しが見えないままシーズンを終えた。

チーム成績を見ると、打撃はリーグ2位のチーム打率.265と好調。一方で投手有利のナゴヤドームをホームとしながら、リーグワーストのチーム防御率4.36を記録し、投手力に大きな課題を抱えた。

特に厳しい状況になってしまったのは、リリーフ陣。リーグ2位の先発防御率4.08に対して、救援防御率はリーグワーストの4.93。田島慎二、又吉克樹、谷元圭介ら勝ちパターンクラスの投手が不振に陥り、逃げ切る展開を最後まで確立できなかった。

2018年中日主なリリーフ投手の成績ⒸSPAIA

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また好調だった打撃も、優秀なクリーンナップの前を打つ上位打線に課題があった。

2018年中日主な1・2番打者の成績ⒸSPAIA

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終盤は平田良介が中軸からトップバッターに移ったが、前年新人王の京田陽太が大きく数字を落とし、大島洋平の打率も本来のものではない。外国人打者のビシエド、アルモンテ、モヤがそろって残留と、引き続き強力なクリーンナップが期待できる環境では、1・2番打者の出来が打線の鍵を握る。

今季は投打の課題解決か

今季は好調のチームだが、開幕から1か月経った現時点で投打の課題は解決されたのだろうか。

最重要課題であったリリーフは、救援防御率が3.37まで改善。開幕カードで打ち込まれた田島は防御率こそ6点台だが、4月は9登板で自責点2にしのいでいる。又吉もかつての姿が戻ってきており、今季は昨季苦しんだ投手が復調し、重要な戦力となっている。

クローザーには2年目の鈴木博志がどっしり座り、昨季途中に加入したロドリゲスも引き続きセットアッパーとして活躍。田島らの不振が痛かった昨季だが、その分他の投手に登板機会が回り、それが今季のブルペン全体の好調につながっている。

主なリリーフ投手の成績ⒸSPAIA

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次に1・2番打者。昨季終盤に機能した「1番平田」で開幕した今季、2番には京田が入っており、この2人が好調。昨季に打率.329を残した平田は平常運転といったところだが、3割を軽く超える打率をマークしている京田には驚きである。

すでに京田は、4月終了までに本塁打も2本放っている(昨季4本)。好打で機動力もある理想的な1・2番が実現し、打線の課題も払拭されつつある。不調のアルモンテが復活してくれば、さらに強力なラインナップも期待できるだろう。

主な1・2番打者の成績ⒸSPAIA

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今後の長い戦いを見据えても、こういった課題からの前進は明るい材料である。今季、ここまでの中日の強さは本物といえるのではないだろうか。