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立浪和義が最多の487本、シーズン50本超えは2人だけ 本塁打より少ない二塁打記録

2019 5/8 11:00勝田聡
糸井嘉男ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

通算記録は立浪和義の487本

4月28日に通算300二塁打を達成し、NPB史上71人目となった糸井嘉男(阪神)。現役選手では中島宏之(巨人)についで第10位の記録で、既に同日、301本目を放っている。このままいけば、糸井の数字はまだまだ積み上がっていくと予想。

中島は、現時点の起用法でレギュラーではない。そのため、糸井が9位に浮上するのも時間の問題かもしれない。

本塁打や安打と違い、二塁打にタイトルはなく歴代最多二塁打やシーズン最多二塁打の記録は意外と知られていない。NPBにおいて歴代最多二塁打の記録を持っているのは、立浪和義(元・中日)である。その数は487本。

歴代・現役二塁打ランキングⒸSPAIA

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ちなみに昨シーズンの最多二塁打は、セ・リーグが青木宣親(ヤクルト)とソイロ・アルモンテ(中日)の37本、パ・リーグが秋山翔吾(西武)の39本だった。

昨シーズンに最多二塁打となった各選手たちが、13年近く同等の数字を残してようやく到達する数字。それには、二塁打を打てるだけの長打力と脚力が必要であるのはもちろんだが、何より大変なのは長きに渡って主力で出場することだ。

プロ入り1年目の1988年から現役最終年の2009年まで、21年かけて数字を積み上げてきた立浪。単純計算すると、1年あたり23.2本となる。

同じく昨シーズンの結果と比較すると、24本放った選手は山川穂高、外崎修汰(ともに西武)、糸井の3人で、それ以上の選手も複数いる。このレベルの打撃を21年間継続することは、並大抵のことではない。

ランキング2位以下には福本豊や山内一弘らが続き、ベスト3は長距離砲ではなく、中距離ヒッターが独占している。そして、422本で歴代6位となっているのは王貞治だ。

シーズン最多二塁打は谷佳知の52本

シーズン二塁打ランキングⒸSPAIA

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一方でシーズン最多二塁打の記録は何本なのだろう。

2018年シーズン終了時点のシーズン最多二塁打は、2001年に谷佳知(オリックス)が記録した52本と、2003年の福浦和也(ロッテ)が記録した50本。長いプロ野球の歴史上、シーズン50二塁打を達成したのはこの2例だけ。つまり、14度達成されているシーズン50本塁打よりも少ないということだ。

また通算ランキング同様、どちらかといえば長距離砲ではなく中距離打者が多く名を連ねている。ちなみに、王の最多二塁打はプロ入り5年目となる1963年の30本となっており、それ以降30本の大台に乗せたことはなく、1968年の28本が最多。世界の王でも二塁打の量産とはならなかったのだ。とはいえ、通算で422本を放っているのはさすがである。

1試合あたりでは4二塁打が最多記録となっており、これまで12人(2リーグ制以降11人)が達成。近年では雄平(ヤクルト)が2017年に達成している。

野球の試合で欠かせない二塁打。50本の大台に乗ることが、本塁打以上に難しいことは意外だったかもしれない。タイトルがなくても本数をチェックしていくと、また違ったおもしろさを発見できるかもしれない。

※数字は2019年5月7日終了時点