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ソフトB三森、オリックス中川、K-鈴木 昇格「即」結果出したパ・リーグの若武者たち

2019 5/2 11:00勝田聡
野球ボール
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Ⓒゲッティイメージズ

中川圭太はドラフト7位からの躍進

プロ野球はゴールデンウィークの大型連戦に突入した。各チームとも首脳陣たちが選手の起用に知恵を振り絞っていることだろう。故障で離脱した選手や不振に喘いでいる選手たちと、ファームで結果を残した選手との入れ替えも多く敢行されている。

そんな中、4月中旬以降に昇格を果たした選手たちから多くの活躍者が生まれている。

そのひとりが中川圭太(オリックス)である。中川は昨年のドラフト7位で東洋大学からオリックスへと入団した大卒1年目のルーキー。入団時には現在休部中であるPL学園高校出身ということが、大きく取り上げられていた。また、上茶谷大河(DeNA)、甲斐野央(ソフトバンク)、梅津晃大(中日)らと東洋大の同期であり、主将も務めていた。

どちらかというと経歴に注目されることが多かった中川だが、バットで存在感を見せている。ファームでは、4月4日のソフトバンク戦から4月14日の中日戦まで9試合連続安打を記録。4月29日終了時点でリーグ6位の打率.293(82打数24安打)を記録し、4月20日晴れて一軍へ昇格する。

昇格から2試合は途中出場だったが、初スタメンとなった4月24日のソフトバンク戦でマルチ安打。そこから5試合連続で安打を記録し、レギュラーの座を掴みそうな勢いだ。また当初は三塁での起用だったが、4月28日からは右翼でスタメン出場。内・外野守れる点も心強く、西村徳文監督の戦略の幅も大きく広がったことだろう。

チームの新人野手ではドラフト2位の頓宮裕真が注目されていたが、中川が先にブレイクするかもしれない。

・中川圭太(オリックス)
7試合 打率.368(19打数7安打)/0本塁打/3打点

高卒3年目の三森大貴は細身ながら長打多し

首位を走るソフトバンクでは三森大貴が躍動している。2016年ドラフト4位で青森山田高校からソフトバンクに入団。昨シーズンまで一軍での出場機会はなかった。しかし、今シーズンはチームで故障者が続出し、ファームで打率.278(79打数22安打)、2本塁打、10打点と結果を残していた三森が一軍に呼ばれたのである。

初スタメンとなった4月21日の西武戦ではいきなり3安打猛打賞。初安打、初打点、初盗塁と初物尽くしで勝利に貢献。以降もスタメンでの起用が増え、ここまで打率.333(21打数7安打)。7安打中4本が長打(二塁打2本、三塁打2本)という点もポイントが高い。185センチと高身長ながら68キロ。見た目はかなり細いがパワー、そして脚力もある。

一軍では主に二塁のポジションに就いている。本多雄一が引退し牧原大成がポジションを掴んだかに見えたが、三森が待ったをかけた格好だ。もしかしたら、ソフトバンクに大型の二塁手が誕生するかもしれない。

・三森大貴(ソフトバンク)
10試合/打率.333(21打数7安打)/0本塁打/1打点

2年目のK-鈴木が7回無失点の好投

投手ではK-鈴木(オリックス)が今シーズン初登板で好投を見せた。

2017年ドラフト2位で日立製作所からオリックス入りしたK-鈴木。即戦力候補として期待されるも、昨シーズンは4試合で防御率8.59と結果を残すことができず、今シーズンも開幕一軍を逃していた。しかし、ファーム5試合で1勝1敗、防御率0.77と結果を残しチャンスを掴む。

4月28日に昇格すると、同日の西武戦で白星こそつかなかったが、7回無失点投球。与四球0という点を含め次回以降につながる内容だった。低迷しているチームの起爆剤となることに期待がかかる。

・K-鈴木(オリックス)
1試合/0勝0敗/7回/奪三振5/与四球0/防御率0.00

このようにファームから昇格し、すぐに結果を出している若手の存在はチームに活気を与える。一方で、実績のない若手は昇格してすぐに結果を出さなければ、再び二軍に降格となってしまう立場にもある。そのようなプレッシャーの中、チャンスをものにした彼らのシーズンはどのようなものになるのだろうか。

※数字は2019年4月29日終了時点