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阪神・青柳晃洋、巨人・増田大輝ら2015年ドラフト下位指名から躍進目指す男たち

2019 4/24 11:00勝田聡
青柳晃洋,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

阪神・青柳、中日・阿部が好調

2015年ドラフトでプロ入りし、今シーズンで4年目を迎える選手たち。既に実績を残している選手がいる一方で、なかなか結果が出ない選手も。しかし、今年はドラフト下位指名からの躍進ともいえる選手が目立っている。

その筆頭が阪神の青柳晃洋(ドラフト5位)だ。昨シーズンまでに通算9勝をマークしているが、規定投球回に到達したことはなく、1シーズン通しての活躍はできていない。だが、今季は開幕ローテーション入りすると、4試合に登板し1勝2敗と負けが先行しているものの、リーグ9位の防御率2.59と安定した投球を続けている。

ランディ・メッセンジャー、オネルキ・ガルシアの2人がローテから離脱しただけに、青柳には年間通しての活躍を期待したいところだ。

青柳と同じくドラフト5位指名から今季チャンスを掴んでいる選手は他にもいる。

中日の阿部寿樹は、スタメン出場が増え打率も大きく3割を超えており、30歳を目前に開花の兆しが見えてきた。社会人出身の阿部は現在29歳。昨シーズンまでの一軍出場は3年間で64試合と、即戦力候補としては物足りなく、正直レギュラーとしての扱いではない。今シーズン結果が出なければ、非常に苦しい状況になっていただろう。シーズン通して一軍の戦力となれるか注目だ。

西武の本田圭佑も今季初登板でプロ入り初勝利をマークしている。菊池雄星がマリナーズへ移籍し、榎田大樹、内海哲也、松本航といったローテーション候補が次々に離脱してしまった西武。そんなチームの危機的状況の中、本田に白星がついたことは大きい。2試合目の登板では打ち込まれてしまったが、翌日に登録を抹消されていないことからも、まだまだチャンスはありそうだ。

育成から這い上がってきた増田大輝と渡辺勝

2015年ドラフト組では、育成指名選手も一軍の舞台で活躍し始めている。

4月19日、巨人の増田大輝が一軍初出場を果たし、レギュラーへの第一歩を踏み出した。大量点差がついた8回裏、坂本勇人と代わり遊撃のポジションに。守備のみの出場だったが好プレーを見せ、存在感をアピールした。

増田は2015年育成ドラフト1位で、徳島インディゴソックス(四国ILplus)から入団した。2年目となる2017年7月に支配下登録されたが、昨シーズンまで一軍出場はなかった。しかし今シーズン、ファームで打率.351(74打数26安打)と結果を残し、4月19日に一軍初昇格。同日初出場を果たしたのだ。プロ4年目にして、初めて掴んだチャンスをモノにできるのだろうか。

増田と同じく育成組では中日の渡辺勝も一軍初出場を果たしている。

育成6位で東海大から中日へ入団した渡辺は、今シーズンから支配下登録となり開幕一軍入りを勝ち取った。美しい打撃フォームは、王貞治や大豊泰昭を彷彿とさせる一本足打法。現在は、代打をはじめ途中出場が多いが、増田同様一歩ずつ階段を登っていきたいところだ。

2015年ドラフト組では、吉田正尚がスラッガーとしてチームを引っ張り、侍ジャパンでは4番として結果を残した。ヤクルトの原樹理やDeNAの今永昇太、西武の多和田真三郎らは、先発柱としてローテーションを任されている。このように、2015年にドラフト1位入団した選手たちの多くは、すでにチームの柱となっている。

彼らと同期でありながら昨シーズンまでの実績を比べると、どうしても見劣りしてしまうが、入団4年目の今シーズン、確かな一歩を踏み出した苦労人たちの活躍に期待したい。

※数字は2019年4月23日終了時点