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オリックス・西浦颯大と福田周平 快速1・2番コンビが逆襲のカギ握る

2019 4/17 07:00浜田哲男
プロ野球,ⒸSPAIA
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主軸が不振も1、2番が躍動

昨季はリーグ4位に終わったオリックス。開幕ダッシュを狙った今季だったが、4勝7敗3分け(4月14日時点)と苦戦中だ。チーム打率.214はリーグ最下位で、特に、期待されたクリーンナップが軒並不振に陥っている。

主軸としてさらなる飛躍が期待されている吉田正尚は、14試合消化時点で打率.208、3本塁打とまさかの不調。新助っ人のメネセスは13試合出場で打率.152、1本塁打、ルーキーの頓宮裕真は13試合出場で打率.204、本塁打はゼロと非常に厳しい状況だ。

しかし、暗い話題ばかりではない。新1・2番コンビの福田周平と西浦颯大が今後に期待を抱かせる活躍を見せている。両選手ともにここまでリーグ2位の5盗塁、チーム盗塁数は両リーグトップの19個を記録しているのだ。

西浦は勝負強さと身体能力が魅力

高卒2年目の西浦は、今季大きく飛躍する可能性を秘めている。14試合で5盗塁を記録している足も魅力だが、オープン戦では得点圏打率.429、12球団4位タイの12打点を記録するなど、勝負強さも見せていた。

オープン戦での活躍が認められて開幕戦のスタメンに抜てきされると、初回の第一打席でいきなり内野安打を放ち出塁。すかさず二盗を決めるなど、チームの初安打、初盗塁を記録した。ただでさえ緊張感漂う開幕戦という舞台にもかかわらず、走攻守で見せた数々の思い切りのいいプレーは、今後の活躍を期待させられるものだった。

プロ入り1年目の昨季は、高卒ルーキーながら7打席に立って1軍のレベルを体感。プロ入り初安打を放つとともに初盗塁も決めた。50m走5秒9、遠投110mと身体能力の高さが魅力的。弱冠19歳で、まだまだ線は細いが、体がひと回りふた回りと大きくなれば実に楽しみな選手だ。

主将就任がブレイクの引き金となるか

こちらも2年目のシーズンを迎えている福田は、身長167cmと小柄ながら、走攻守にバランスのとれた逸材だ。昨季はルーキーながら113試合に出場し78安打を放ち、快足を生かして16個の盗塁も記録。また、16個の犠打も決めるなど1年目から堅実な働きを見せた。今季からは、プロ入り2年目という異例の早さで主将を任されており、西村徳文監督からの期待の高さがうかがえる。

今季はここまでリーグ3位の打率.328、リーグトップタイの20安打を記録し、打撃部門で上位にランクインするなど上々のスタートを見せている。本人がこだわっているという出塁率も.388と悪くない。今後、四球数を増やすことができれば、出塁率.400も見えてくるだろう。

また、福田はセイバーメトリクスの指標であるPA/K(計算式:打席数÷三振)がリーグトップ。この指標は1つの三振を喫するのに何打席かかるかを表す指標であり、値が大きいほど良いとされている。

パ・リーグPA/Kランキング

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他にも楽天の銀次やソフトバンクの内川聖一など、そうそうたる打者が上位にランクインしており、福田がいかに三振しにくいのかががうかがえる。

今季から主将を任されて責任感がより一層増した。そうした精神面での充実に加え、技術も高い。足もあり、小技もでき、バットコントロールにも優れた福田が今季ブレイクする可能性は高い。

昨季は1・2番を固定できずに苦しんだオリックスだったが、今季はここまでの14試合で1番二塁・福田、2番中堅・西浦を固定して起用(1試合のみ打順が逆になった)。随所に光るものを見せている。

今は吉田やメネセスら主軸の当たりが止まっているが、13日の西武戦で4番に入って2本塁打を放った杉本裕太郎やロメロ、マレーロなど、スラッガーの数は他のチームにもひけをとらない。ここにスピード感のある福田、西浦を含めた上位打線が機能し始めた時、オリックスの逆襲が始まるだろう。

※数字は2019年4月14日終了時点