カードが一巡しヤクルトが単独首位
シーズン開幕から5カードが終わり、対戦が一巡した。各チームとも、打順の組み換えや先発投手の入れ替え、好不調の見極めなど複数の要素を検討してチームを整えている。そのなかのひとつに外国人選手の運用がある。
現在のプロ野球で、外国人枠は4つ。ただし投手4名、野手4名といったどちらか一方に4名を配置することはできない。制約があるなか、監督をはじめとした首脳陣は起用法を試行錯誤している。
今シーズンは多くのチームが野手では「本塁打に期待できる主砲」、投手では「先発もしくはセットアッパーやクローザー」に、外国人選手を起用している。当然この全選手が結果を残しているわけではなく、苦しんでいる選手もいる。だが、開幕当初はほとんどの選手に対し、主力として期待していたはず。
そんななか、10勝5敗でセ・リーグ単独首位にたったヤクルトは少し違った起用法をとっている。
今季の外国人は5人態勢

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まずヤクルトの外国人選手には誰がいるのかを見ていこう。
野手は今シーズンが9年目となるウラディミール・バレンティンただひとり。2013年には、プロ野球史上最多となるシーズン60本塁打を記録したことでもおなじみだ。投手はデービッド・ブキャナン、デーブ・ハフ、アルバート・スアレス、スコット・マクガフの4人。ブキャナンとハフは昨シーズンからの残留で、新たに加わったのがスアレスとマクガフだ。
当初の構想では野手がバレンティンしかいないため、実質投手4人で3つの外国人枠を争うのが既定路線となっていた。しかし、スアレスが開幕前に故障したため、ブキャナン、ハフ、マクガフの3人がそのまま一軍入りする形となった。
ここで注目したいのが、その3投手の起用法だ。ブキャナンは当初の予定通り先発としての起用となっている一方で、ハフとマクガフの2人は、セットアッパーやクローザーといった勝ちパターンではない中継ぎとして起用されている。
先発やセットアッパー、クローザーで起用されながら結果を残せずに配置転換されることはある。だが、開幕当初から勝ちパターンではなく、中継ぎとして外国人投手2人(複数の投手)を起用しているチームはヤクルト以外には見当たらない。
具体的に、単に中継ぎとして起用されている外国人投手の名前を挙げてみると、カイル・レグナルト(広島)、エドウィン・エスコバー(DeNA)、ライデル・マルティネス(中日)、チェン・グァンユウ(ロッテ)、リバン・モイネロ(ソフトバンク)、宋家豪(楽天)と各チームに1人いるかいないかだ。
もちろん試合状況や開幕後の状況によっては、ここにあげた投手たちが勝ちパターンになることはある。だが、開幕から想定されていた確固たる勝ちパターンではないはずだ。
ハフとマクガフの踏ん張りが勝利を呼び込む
ヤクルトも開幕前からこのような起用を想定したわけではない。スアレスが先発として外国人枠に入り、ハフとマクガフを併用。もしくは、調子によってブキャナンを含めた4人で3枠をローテーションするプランだったはず。しかし、スアレスが離脱したためこのような状況になっている。
これが結果的に功を奏し、先発投手が打ち込まれて早めに降板しても、ハフとマクガフを中心とした中継ぎ投手が登板し耐え忍ぶ。その間にリードを奪い「勝ちパターン」へと繋いで勝利をモノにしている。これまでの10勝のうち、先発投手に勝ちがついたのは3つ(高梨、原、寺原)しかないことからもわかる。
他のチームの例からも、外国人投手の起用は「試合を作る先発」もしくは「勝ちパターン」が一般的。そこに実力ある投手や期待値の高い外国人投手を起用するのは、チームの勝利に直結する可能性が高いからだ。そのため、勝ちパターンをのぞいた一般的な中継ぎ投手は、(決して重要でないわけではないが)優先順位が下がってしまう。
そんな中継ぎに外国人投手2人を使うのは贅沢とも思われる。だが、結果的に中継ぎ防御率はリーグトップの1.99をマークしており、チームが首位に立つ要因の1つとなっているのだ。
現時点ではまだ、スアレスが復帰した時どのような起用法になるかはわからない。外国人投手全員が小川淳司監督を困らせるほどの活躍ができれば、昨シーズン以上の成績も夢ではないだろう。
※数字は2019年4月14日終了時点