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ヤクルト・川端慎吾ら二軍調整中の実績者たち チームの窮地救うべく今は雌伏の時

2019 4/15 07:00勝田聡
川端慎吾,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

川端慎吾はファームで打率3割超え

プロ野球開幕から、2週間ほどが経過した。両リーグともに独走しているチームはなく、現時点では団子状態。セ・リーグではヤクルトが首位に立っているが、まだまだ混戦で、各チームとも抜け出す「きっかけ」がほしいところだろう。

その「きっかけ」のひとつに、主力選手の一軍合流がある。実績ある選手と勢いある若手の一軍合流が、チームに勢いをもたらすことは珍しくない。

ヤクルトにはファームで力を蓄えている中堅やベテラン選手が多くいる。故障からのリハビリ途中や不振からの脱却など選手によって状況はさまざまだが、いつ一軍に呼ばれてもいいように、ルーキーや若手選手たちと共に準備を進めている。

まずは川端慎吾。二軍で16試合に出場し、打率.344(64打数22安打)と好調だ。2015年に首位打者を獲得しリーグ優勝に大きく貢献した川端だが、2017年シーズンは腰の故障で一軍出場は「0」。昨シーズンは開幕早々に頭部死球を受けた影響なのか、シーズントータルでは97試合の出場で打率.259(297打数77安打)と、本来の川端とは程遠い成績に終わってしまった。

今シーズンは春季キャンプから二軍で調整を行い、備えている段階。現時点で守備についたのは15試合中2試合(一塁)のみとなっており、指名打者制のないセ・リーグでは、守ることができない選手は出場機会が大幅に限られてしまう。一軍復帰へのゴーサインが出るのは三塁守備についてからだろう。

幸いにも川端のメインポジションである三塁は、主に村上宗隆が開幕からスタメン出場を続けており緊急事態ではない。しかし、若手の成長を促すためにもチーム内での競争は必要。かつての首位打者が、満を持して一軍へと昇格する日が待ち遠しい。

畠山和洋、館山昌平もファームで調整

2015年のリーグ優勝時に立役者となった畠山和洋も二軍調整中。ここまでに試合出場はなく、すでにバッティング練習は行っているが、復帰まではもう少し時間が掛かりそうな状況だ。

昨シーズンの畠山は代打の切り札として活躍。チーム最多となる47回の起用で、打率.289(38打数11安打)、2本塁打、12打点と適性を見せた。レギュラーとしての復帰を目指すが、昨年末の契約更改時に本人も「どこかで踏ん切りをつけ、代打にシフトする日が来る」とコメントしていたように自分の立場も理解している。

本拠地・神宮球場の試合において、終盤のチャンスで流れる登場曲「黄金魂」の心強さは段違い。代打の切り札として昇格することを待ち望んでいるファンは多い。

投手陣では館山昌平が頑張っている。幾度となく故障から蘇ってきた不死鳥は先発での調整を続けており、ここまでの4試合で22回を投げ、防御率2.45と上々の成績を残している。

現在、一軍の先発投手陣は石川雅規、寺原隼人、高橋奎二といったベテランや未知数の若手が名を連ねている。全員が1年間を無事に乗り切れる保証はどこにもない。長く険しいシーズンで、疲労が見えたときやリフレッシュが必要になったとき、館山のような実績ある投手の力が必要となる。故障から復帰しカムバック賞を受賞した2015年のように、チームの危機を救ってくれるはずだ。

このように川端、畠山、館山といった2015年の優勝時に主力として結果を残した選手たちが、現在は二軍調整中である。裏を返せば、実績ある選手に頼らなくても若手が頑張っているということだ。それでもやはり、経験ある選手は必要だ。彼らの活躍により、チームが上昇気流に乗るほど素晴らしいことはないだろう。

※数字は2019年4月11日終了時点