ブラッシュが脅威の得点圏打率!
2018年シーズンの楽天は開幕直後から苦しんだ。6月半ばには梨田昌孝監督が辞任。平石洋介監督代行が指揮を執るようになり上向きかけた時期はあったが、最下位を脱出するには至らなかった。最下位から這い上がるためにこのオフには大きな補強を行っている。
西武からFA移籍した浅村栄斗に大砲候補の助っ人外国人ジャバリ・ブラッシュ、守護神候補となるアラン・ブセニッツを次々と獲得し、戦力増強を図った。
オープン戦では、ブラッシュが打率.350(40打数14安打)、3本塁打、15打点と大暴れ。なかでも得点圏打率.538は驚異的な数字。一時、不振に陥りスタメンから外れることもあったが、復帰即本塁打を放ち心配を吹き飛ばした。
王貞治氏のフォームを参考にしたという独特の構えから生まれる豪快な打撃を武器に、チャンスに強い4番としてレギュラーシーズンの活躍が期待される。
一方の浅村は打率.184(38打数7安打)、1本塁打、5打点と調子が上がっていない。シーズンに入ってからの爆発が待たれる。
平石監督はまだ若く、経験豊富とは言い難い。そのなかで新生・楽天をどのように導いていくのだろうか。今シーズンの采配に注目が集まる。
チームトップの高出塁率を誇る島内宏明
浅村やブラッシュといった新加入選手が取り上げられる楽天野手陣だが、もちろん既存の戦力にも注目したい選手は存在する。大卒8年目を迎える島内宏明もそのひとりだ。田中和基やオコエ瑠偉、辰己涼介といった若手外野陣がレギュラー争いを繰り広げるなか、オープン戦では好調をキープ。打率.359はチーム内トップであり、全体4位とさすがの成績。左翼のポジションをほぼ手中に収め先輩の意地を見せた。
島内は本塁打を多く放つような長距離打者ではなく、安打製造機というほど高打率を残しているわけでもない。しかし、安定した結果を残しておりチームにとって欠かせない存在だ。レギュラーに定着した2016年から出塁率も毎年上昇し、昨シーズンは.373となった。これはチーム内トップであり、パ・リーグでは10位となる。
今シーズンも派手さはなくとも安定した打撃と守備でチームを引っ張っていく。
<オープン戦成績>
島内宏明(楽天)
13試合/打率.359(39打数14安打)/1本塁打/5打点
侍ジャパンにも選出された森原康平
楽天の投手陣はエースの則本昂大が離脱し開幕絶望となった。すでに平石監督が公表していた開幕投手も岸孝之へと変更になっている。則本が復帰するまで投手陣は苦しい戦いを強いられることは間違いない。先発ローテーションに入る投手はもちろん、中継ぎ投手も含め全体で穴を埋めていくことになる。
そのなかで注目したいのが3年目の森原康平である。2016年ドラフト5位で新日鐵住金広畑から楽天へと入団。1年目から42試合に登板し中継ぎを支える存在に。しかし、昨シーズンは右肘の手術を受けたこともあり、17試合の登板にとどまってしまう。そのため、今シーズンは復活を期するシーズンとなる。
そんな森原は3月9日・10日のメキシコ戦において日本代表に選出された。初めての代表だったが臆することなく1回を三者凡退。決め球のフォークボールも冴え渡った。昨シーズンの実績がないにもかかわらず、代表に選ばれているのは稲葉篤紀監督の期待が高いからとも言える。
今シーズンは1年間を通してチームに貢献したい。
<オープン戦成績>
森原康平(楽天)
4試合/0勝1敗/4回/奪三振6/与四球0/防御率4.50