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柳田悠岐、千賀滉大と軸が安定しているソフトバンク

2019 3/26 11:00勝田聡
柳田悠岐,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

外国人選手の層が厚いソフトバンク

日本一3連覇を目指すソフトバンクはこのオフ、思ったような補強が進まなかった。浅村栄斗(西武→楽天)、西勇輝(オリックス→阪神)の争奪戦には乗り出したが、獲得に至らなかったのである。外国人選手の補強もなく、新たに加わったのはドラフトで獲得した新人選手のみとなった。

それでも日本一2連覇を達成していることもあり、戦力は充実している。野手では柳田悠岐、投手では千賀滉大という日本を代表する選手が軸としているのも大きい。また、外国人選手もアルフレド・デスパイネ、ジュリスベル・グラシアルの野手陣、リック・バンデンハーク、リバン・モイネロ、ロベルト・スアレス、デニス・サファテ、アリエル・ミランダと全員が一軍で実績を残しており、ここでも競争が行われることになる。

多くのチームでは外国人選手に故障者が出ると戦力が大きく下がってしまうが、ソフトバンクにはそれがない。長いシーズンを考えるとこれは非常に大きい。昨シーズンもデスパイネが故障で離脱している間、グラシアルが結果を残していた。サファテが離脱してもモイネロ、ミランダといったその他の投手が役割は違えど踏ん張った。これが強さの秘訣でもある。

このオープン戦でデスパイネが死球を受け、最終戦ではスタメンから外れた。また、サファテは本来の調子ではないということもあり、二軍スタートが決定している。もちろん、主力選手の離脱は痛いが、その他の外国人選手が穴を埋めることだろう。

フルスイングが魅力の柳田悠岐

今シーズンもソフトバンク打線の中心は柳田悠岐となる。打順こそ決まっていないが、3番、4番といった中軸に座ることは確定といっていい。圧倒的なフルスイングから放たれる打球は詰まっていてもフェンスを超える。3月23日の広島戦では「当たり損ない」かと思われた打球が、ホームランテラスに飛び込んだ。芯を喰わなくてもオーバーフェンスとなるそのパワーには驚かされるばかりである。すべてが規格外となっている柳田の存在なくしてパ・リーグ制覇を考えることはできないだろう。

一方、同じく打線の中軸を担うはずだった中村晃が自律神経失調症を患い、復帰は未定となってしまった。一塁、左翼を守ることができ、シュアな打撃が売りである主力の離脱は痛いことは間違いない。中村が戻ってくるまで柳田がチームを支えていく。

<オープン成績>
柳田悠岐(ソフトバンク)
15試合/打率.333(39打数13安打)/3本塁打/7打点

圧倒的な投球で開幕戦へ向かう千賀滉大

ソフトバンクの注目投手としてはエースとなった千賀滉大を推したい。このオープン戦では3試合に登板し防御率0.00と1点も失うことはなかった。14回で許した安打はわずか4本、奪った三振は12個と文句のつけようがない成績を残した。開幕戦へ向け最後の登板となった3月22日の広島戦では、4回無失点。わすか69球と余力を残した状況でマウンドを降りている。

ソフトバンクの投手陣はリック・バンデンハークが離脱し、武田翔太は右足の違和感で途中降板。順調とはいいがたい。そんななか、千賀は好投を続けており工藤公康監督の信頼も厚い。

また、このオフにはポスティング制度を使ってのMLB移籍を球団に訴えている。ソフトバンクでは現時点で同制度の使用を認めていないが、前例を覆すためにも千賀は結果を出さないわけにはいかない。文句をつけようのない成績を残すことで、初めてその道が拓かれることになる。

<オープン戦成績>
千賀滉大(ソフトバンク)
3試合/1勝0敗/14回/奪三振12/与四球3/防御率0.00

※数字は2019年3月24日終了時点