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巨人・阿部、西武・中村が400本塁打目前 今季達成が期待される打者記録

2019 3/28 07:00青木スラッガー
阿部慎之助,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

「2000安打」の名球会入りは2020年シーズン以降にお預け

いよいよ29日に開幕を迎えるプロ野球。チームの順位予想や戦力分析が盛り上がっているが、選手個人の記録にも目を向けておきたい。今季中に達成が期待される打者記録をピックアップする。

最もファンの関心が高い打者の記録といえば、やはり名球会入り資格「2000安打」だろう。昨季は内川聖一、福浦和也が達成。昨季まで4年続けて打者の名球会入り選手が出ている。

通算安打

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現在、2000安打未満で1500安打以上の現役選手は5人いるが、安打数現役トップは中島宏之の1759本と、今季の達成は難しそうだ。次の2000本到達は2020年シーズン以降になりそうだ。

過去、124人が達成している「1500安打」。今のところ、松田宣浩(1499安打)、田中賢介(1460安打、日米通算1468安打)、坂口智隆(1400安打)が1400安打以上1500安打以下で射程圏内。今季限りでの現役引退を発表している田中は昨季31安打だったが、なんとかそれ以上打って大台に乗せてほしい。

目玉は阿部慎之助、中村剛也の「400本塁打」

目玉となりそうな記録は、過去18人が達成した「400本塁打」である。本塁打数現役トップは巨人・阿部慎之助の399本で、大台まで残り1本。西武・中村剛也が385本で阿部に続く。

両選手ともプロ入り後は一球団でプレーし続けているため、「同一球団で400本塁打」となると歴代7人しか達成していない偉業だ。

年齢とともに立場が難しくなってきた阿部だが、代打中心の昨季も223打席で11本塁打と長打力は健在。中村も392打席で28 本塁打と球界トップクラスのパワーを維持している。どこまで数字を伸ばのすかに期待がかかる。

通算本塁打

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本塁打のほかに、強打者の記録として3つの「1000」に注目したい。

過去45人の「1000打点」は、福留孝介(998打点)、福浦(935打点)、内川聖一(916打点)、中島(914打点)。過去41人の「1000得点」は鳥谷敬(983得点)、福留(981得点)、阿部(981得点)。過去15人の「1000四球」は福留(922四球)が射程圏内としている。

いずれも“強打者の証”といえる記録だ。上記の通り、福留は3つとも今季中に達成する可能性がある。打点・得点・四球のすべてが1000オーバーしたのは、王貞治、落合博満、金本知憲など、歴代11人しかいない。達成となれば、歴史的な強打者として球史に名を刻むことになるだろう。

打点

得点

四球

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また、福留でもうひとつ期待したいのが過去12人の「400二塁打」だ。残り22本で、昨季は26本の二塁打をマークしているだけに、達成の望みは高い。昨季金字塔を打ち立てた福浦も現在388二塁打と、次の偉業が見えてきている。

通算二塁打

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「バントの神様」超えのスピード記録も……

最後に“足”と“小技”の記録も紹介しておきたい。昨季は荒木雅博、松井稼頭央、本多雄一と“足”で球界を沸かせてきた韋駄天が、立て続けに現役引退。通算盗塁数現役トップに立つのは、阪神・糸井嘉男だ。現在288盗塁で、過去29人の「300盗塁」までは残り12個。今季で38歳を迎えるが、昨季も22盗塁を決めているため、達成の可能性は高そうだ。

通算盗塁

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取り上げてきた記録の中で、圧倒的に少ない過去6人の「300犠打」も今季中の達成が有力。細川亨が294犠打、今宮健太が292犠打、菊池涼介が250犠打。特に常勝チームの2番打者である今宮と菊池は、驚異的なペースで犠打を積み重ねている。

犠打といえば、川相昌弘氏の世界記録533個が有名だが、300犠打到達は30歳のとき。よって、現在27歳で残り6犠打の今宮は、最年少記録を更新することになるだろう。また、現在29歳の菊池は、シーズン最高犠打数が2013年の50個。20代の今季のうちに一気に300犠打へ届いてもおかしくはない。

通算犠打

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果たして、どれだけの記録が達成されるのか。打者の名球会入りはお預けとなりそうだが、マイナーな記録達成も楽しみにしたい。